シンガポールでは毎年 2月15日の夕方 18時20分に国中にサイレン音が鳴り響きます。
1942年2月15日、日本軍によってシンガポール占領が始まったその日、その時刻、その歴史を忘れないため。
1942年2月15日 イギリス連合軍は日本軍に降伏を宣言、降伏文書の調印が行われたその部屋は展示として残されており、今でも見学することができます。時計の針は 18時20分を示しています。
ブキティマの旧フォード工場は日本占領時代の戦史を残す資料館になっていますので、訪れたことがない方は一度は足を運んでみて下さい。
戦争から年月が経ち、世代も入れ替わり、現在 2月15日は戦争の歴史を忘れないという意味から、戦争の歴史から学び、国民として平和を守るために何ができるのかを考えるための Total Defence Day 国防の日の意味合いが強くなっています。Forgive but never forget の通り、歳月を理由にして意味をすり替えるとか、忘れていいとは違います。
Total Defence Day は 1984年に制定されました。祝日ではなく、啓蒙の意味が強くなっています。国家の危機とはテロや戦争だけではありません。コロナがそれを示したように目には見えないもの、近年増えているサイバーアタックなどのデジタル関連リスク、経済危機、食糧危機、自然災害などあらゆる困難、障害が起きたとき、国民はどうやって国を守るのか、1人1人が平和な社会を創るために何が大切かを考え、平和は当たり前でなく、私たちの手で作られていることを学ぶものです。
常にベクトルが未来へ向いているシンガポールの考え方は素晴らしいなと思います。第二次世界大戦から 81年。その時代を生き抜いた実体験を知る人はごく少数となり、あと 10年程すればすべての人が戦争を知らない世代になる今、私たちは過去の歴史をどうやって次世代へ伝え、どんな未来をつくりたいのでしょうか。
シンガポールにお住いの日本人の方は、今日の夕方 18時20分、サイレンの音に耳を傾けてみてください。
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シンガポール陥落81周年企画
在星邦人が知っておきたいシンガポールの歴史
～ シンガポール中心部の戦争記念碑を訪ね平和を体感するウォーク
■ 2023年3月5日(日) 10時～12時 ⇒ https://peatix.com/event/3496861/
■ 2023年3月19日(日) 10時～12時 ⇒ https://peatix.com/event/3496978
■ オンライン開催 2023年3月25日(土) 10時～12時 ⇒ https://peatix.com/event/3496997/
* 4月に平日開催も予定しています。
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