マーライオンが水没、インパクトある政府広告から気候変動に国として真剣に取り組む姿勢が分かりました。
2020年3月、政府が Green Plan 2030 を発表した際、リー首相はこう発言しています。
シンガポールがグリーンで持続可能な国であり続けることを実現するため、環境に関する具体的目標を設定しました。これは単なる目標設定ではありません。現在と未来に渡ってグリーン化を達成するためのロードマップです。政府は国としてこのビジョン達成に向けて皆さんを先導していきますが、実現可能なものとするためには、みなさんの積極的な取り組みが必要です。目標達成のために共に進みましょう。(意訳)
この目標に真剣に取り組んでいく国としての意思表示。シンガポール政府が環境への取り組みにここまで強く訴えていくのはなぜでしょうか?
国として世界的気候変動による危機感を現実のものとして持っていることが分かります。小国で土地が平坦、国全体に海抜の低い地域が多い。温暖化による海面上昇で国ごとなくなってしまうリスクを、まだまだ何十年も先のよく分からない事として捉えるのではなく、いつそうなってもおかしくない事として考えています。
気候変動は世界的な課題であり SDGs は国連が定める目標。世界的にどの国も環境問題に取り組む流れになってきていますが、シンガポールは自国のことを考えつつも、世界の中でシンガポールは国としてどんな貢献ができるのかを常に考えています。シンガポールのような小さな国が行動しても世界は変わらないと考えるのか、世界の中の一員として積極的に関わっていくのか、物事にどう取り組むかで結果は大きく違います。
リー首相は、環境目標達成に政府が主導していくと明言しています。シンガポールが何かに取り組むとき、何事も政府主導で動きます。言ったことは口だけでなく、実現しなければ意味のない事。有言実行。国を代表する人たちがまずはやってみせるのです。コロナウィルスのワクチン接種でもリー首相を始め、政治家の方々が率先して接種しました。リーダーが見本を見せる。そうすることで、国民への信頼につながり、国民からの協力を得ることができます。
シンガポールは国が若いこともあり、これまでは経済発展することが優先でした。これからも経済的発展を続けることは変わりないですが、特に 2010年代に入ってからは経済発展以外の分野にも力を注ぐようになってきています。まさに The climate is changing, and so must we. 世界的気候変動が起きているから、私たちも変わらなければいけない。それと同じで、世界が変わったらシンガポールも変わる。伝統や古いもの、今までのやり方にこだわっていては取り残されてしまいます。力のある大国は良いですが、シンガポールのような小さな国で、資源のない国は、世界の変化に合わせて変化し続けることが、世界で生き残っていく方法。
経済的な目標を達成することはこれまで経験がありますが、環境への取り組みはシンガポールの新たな領域へのチャレンジ。私も社会の一員としてできることを考えつつ、グリーンな取り組みにも注目していきたいところ。
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また、書いただけのことだけではなく、他にも様々な要素、理由、背景があります。あれもこれもいっぱい書くと、くどくなりそうなので、基本的な部分だけになります。
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