伝統的なチャイニーズのお菓子、豆沙餅 Tau Sar Piah タウサーピアは、緑豆で作る餡を包んだ伝統的な薄焼き菓子。
潮州文化のお菓子ですが、華人の方に広く愛されている素朴で懐かしい味。似たり寄ったりはありますが、お店によってちょっとずつ違うのも面白いです。
お店によって違う Tau Sar Piah
甘い意味の「甜」、塩気がある意味の「咸」の文字が入っているもの、發、福、佳などおめでたい文字が入っているものが多いです。旧正月、中秋節などのお祝い事、宗教行事に箱詰めでたくさん用意したりします。
ホーカー、マーケット、街の商店、既製品はフェアプライスを始めスーパーにもあり、手軽に買えますが、どこでも買える Tau Sar Piah は美味しくない物がほとんど。
シンガポールで美味しい Tau Sar Piah と言えばここ。創業 1948年 Balestier の 龍發 Loong Fatt。海南からシンガポールに移住してきた Leeさんによって当初は西洋式ベーカリーとして始まりました。1950~60年代には西洋式のお菓子を提供するコーヒーショップとして繁盛し、商売を Tau Sar Piah に切り替えたのは 1970年代のこと。今は 3代目のご家族が家業として継がれています。
創業以来の伝統と秘伝の味を守るため支店はつくらず、本店のみで堅実に商売されているのも人気の理由の 1つでしょう。
古いままの面影を残す店内にはレトロな飲食スペースもあり、コピなど飲み物を頼んで座ってペイストリーを楽しむこともできますが、皆忙しい今、コロナ禍以前より持ち帰りで買って帰るのが一般的。
Loong Fatt に Tau Sar Piah を買いに行く時は、足取りも軽く、お店に向かう時から嬉しい気持ちになります。お小遣いをもらってずっと買いたかった駄菓子でも買いに行く子供のような気持ち。
お店には持ち帰り用の紙箱がいつもたくさん積み上げられています。
お店の奥で手作りしているのが見えます。これはコロナ以前に撮った写真。先日行った時もたくさんのスタッフの方が忙しそうに手作りされていました。
シンガポールの方が買うのは、最低でも 10個ぐらいから。皆さんたくさん買って、家族で分けて食べます。夫の家族の誰かが買ってきた時は、我が家もお義母さん経由でおすそ分けがあります。
美味しい物をシェアする気持ち。人や国を越えて誰にでもあると思いますが、シンガポールの場合、家族が近くに住んでいる環境、家族を大切にする文化、民族に関わらず食べることが好きな国民など複数の要素が重なって、おすそ分けの文化は民族に限らず、どの民族も日本以上に強いと感じます。
Loong Fatt の Tau Sar Piah を買う時は必ず多めに買います。今回は直接お店に行ってではなく、事前に注文してからオンラインで先に支払いをしてお店に受け取りにだけ行ったのですが 30個注文して、家族とお友達におすそ分けしました。同じコンドのお友達同士、仲良しのお友達で、出勤できるようになればオフィスに持っていくとか。シェアする喜びも感じられる温かいお菓子です。
お店に直接行っても買えますが、現在待ち時間がかなり長くなっている模様。最低でも 15~30分、長い時は 1時間待ちぐらいのこともあるようですので、事前予約で待たずに買えます。
オーダーフォームなどはないので、お店の facebook ページでメッセンジャーからメッセージを送ります。
必要な方、例文コピーでお使いください。
Hi, I would like to make a pre order.
Salty Tau Sar 20pcs
Sweet Tau Sar 10pcs
Kindly advise when is the earliest day can collect. Thank you !
Megumi 連絡先 XXXX XXXX
返事に 1週間ぐらい先までの対応可能な日と PayNow の支払い先を教えてくれるので、支払いが終わったスクリーンショットを添えて、いつ何時に受け取りしたいかを書いて返信すれば、事前に用意してくれます。
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表面にゴマがついているか、そうでないかで、甘い、塩味の区別になっています。どっちがどっちは食べて確認してくださいね。
その日のうちに食べきれない時は、冷蔵庫にしまって数日持ちます。冷蔵庫から出したらトースターやエアフライヤーで温めて食べると美味しいです。
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