日本ではお盆が終わったばかりですが、シンガポールにもお盆に当たる期間があります。
旧暦 7月のハングリーゴースト(ハングリーゴーストフェスティバルとも呼びます)中国語では中元節。旧暦 7月であることから 7 month/7th month セブンマンス と呼んだりします。死者の魂がこの世に帰ってくると考えられ、日本のお盆期間中、先祖様の霊をお迎えして お送りする迎え火、送り火や茄子ときゅうりの乗り物をつくる習慣があるのと同じ考え方です。
ハングリーゴースト Hungry Ghost は文字通り ‟お腹を空かせた幽霊” の意味。供養されずに寂しい想いをしている霊、さまよえる魂たちがこの世にやってきて、お腹をすかせて悪さをすると考えられているため、道端のあちこちに食べ物をお供えし、お線香を捧げ、紙のお金やお札(おふだ)などを燃やして供養し、魂を静めるために祈ります。
道端に食べ物、ろうそく、お線香を供えて祈ります。これから1ヶ月の間、HDBが多い地域、ホーカーの近くやローカル色の濃いエリアでよく見かけるようになります。
歩道のあちこちに、紙のお金などが散らばったり、ゴミが多くなって、見苦しいと感じることが多かったりしますが、蹴飛ばしたり、わざと踏みつけたりしないことです。
華人の方々は以下のようなことを避けます
– 結婚などお祝いごとを避ける
– 新規開店、オープニングイベントもこの時期なくなります
– 引っ越ししない
– 不動産など大きな買物をしない
– ビジネスでは大きな契約、取引をしない
– 川、プールなどむやみに水場に近づかない
– 旅行はできるだけ避ける
– 夜遅くまで外出しない
■ 最近の Yahoo記事で「言い伝え、お盆は溺れるから泳ぐなは迷信かな?」という興味深い記事を読み、日本にも同じような言い伝えがあることを知りました。
旧暦 7月1日の前の晩、つまり今年は今晩(8月18日)地獄の門が開きます。そして 8月19日 から 9月16日、旧暦7月の 約1ヶ月間がハングリーゴースト期間となります。
会社、商店、ホーカーなど多くの場所ではこの時期、祭壇を用意して供養の行事を行います。
蝶々は魂の使者と言われたりしますが、不思議なことにこの時期、いつもは見かけることなどほとんどないのに、どこからともなく黒い蝶々が現れたり(しかも高層階に)不思議な体験をしたという方が多くいます。気味が悪いと感じる方も中にはいらっしゃるかもしれませんが、あの世とこの世が繋がり魂と共に過ごす人間味を感じる風習で、怖れるものではありません。
例年は特設テントを張って供養のイベントがあちこちで開催されるのですが、今年はハングリーゴーストも少し変わった形に。ただ数人のシンガポール人の方と今年のハングリーゴーストについて話しをしたところ、コロナだからと言って祈らない理由はないと言っていたのがとても印象的でした。
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イラスト提供 Instagram @singapolah