選挙の投票は日本でもそうですが、誰が誰に投票したか分からない秘密投票です。シンガポールももちろん同じく。
シンガポールでは公告などで “Your vote is secret.” のフレーズを見かけることがあります。
「投票した内容は秘密」 シンガポールでは特にご高齢の方などで誤解を持っている方もいらっしゃり、野党に投票し反政府姿勢をとることを恐れていたり、投票した内容が知られてそのことで日常の中で不利益に扱われたり、罰を受けるのではないかといった恐れ、考えを持っている方が少なからず存在します。言論統制や報道規制など不自由とも感じる法律やルールがあるからこそでもありますが、支持政党の規制はもちろんありません。
独立前生まれの方などご高齢の方は、リークアンユー時代の独裁体制を経験しており、野党支持は非国民、野党を支持しているなんて他人には言えないと言った風に考えている方が中にはいるのです。また若い世代でも特に政府機関で働く方で、野党支持することを心配をしたり。逆に SNS でオープンに公表している人もいます。（明確に文章にして書いている訳ではないですが、シェアしている内容から判断ができます。）
選挙が公平公正に行われているかどうかは、民主主義において重要なことであり、シンガポールでは先進国の割に選挙の公平と公正さに関して他国よりも国民の関心が高いと感じます。それだけ与党に偏りがあると感じている人や、公平な選挙なのかどうか疑問を感じている人が多いことの表れなのでしょう。
Is my vote secret?
投票が秘密であることを説明する政府サイト
政府からの開票作業について説明する動画
こちらは、野党でいちばん強い WP – Workers’ Party による、投票が秘密であることを伝える動画。この内容を与党ではなく野党が発信しているのが印象的。
Your vote is secret. Here's why.#GE2020
The Workers' Partyさんの投稿 2020年6月26日金曜日
この動画の後半で、選挙が終わってから投票用紙が焼却処分されるまでについても伝えています。
– 投票用紙は選挙後半年間、最高裁判所に保管される。
– 選挙に立候補した人は裁判所の保管場所を訪れ不正がないことを確認できる。
– 投票用紙が開封できない箱ごと焼却処分されるまでの過程に立ち会うことができる。
ところで、投票日、投票所の係員や開票作業に関しては主に政府職員が行っています。夫が政府職員で選挙になると係員になるため、開票作業ってどうやってるの？ 誰かが票をだましたりできるんじゃないの？ とちょっとバカげたことを聞いてみました。（質問の意図としては、どれだけ正確に公平にやっているのかを聞きたかったのですが）
細かい事は書きませんが、チームで作業し、それを見てチェックしている担当の人がいるから不正なんてあり得ないという答えでした。
日本で投票をしたら、自分の投票したことが本当に秘密になっているかどうかの心配、あまりしないですよね？ いかがでしょうか。こんなことにもお国柄があるのを感じます。
Your vote is secret.
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イラスト提供 Instagram @singapolah
