ナショナルデーを終えて ~ 今年もシンガポールの強さに魅せられました

今年の NDP の任務をすべて無事終えました。

 

リハーサル 3回、本番と 4回の任務を通して、またシンガポールの強さを見せつけられ、その強さに魅せられ、学び多き経験となりました。

 

任務中の写真は国防の特性上ブログにはほぼ載せていないのと、そもそも任務中の写真が撮れることは滅多になく、軍での活動中はほとんどが撮影禁止です。NDP はちょっと違って任務であるもののイベント色も高く、お仕事で NDPとして参加している人にとってもお祝いであり、4回の任務中に私が撮った写真を織り交ぜつつ、感じたことなどランダムに綴ります。

 

7月16日 リハーサル。空とマリーナベイの景色が綺麗でした。赤白の観客で埋め尽くされた会場も熱気があって良いですが、空席の会場風景も美しい。マリーナベイプラットフォームでの開催は NSスクエアに生まれ変わるまで一旦最後になるので、この姿を写真に残せて良かったです。

 

セキュリティに関して

 

NDP は高レベルでのセキュリティが求められます。特に本番当日は大統領、首相、他シンガポールの VVIP が集まることもありリハーサル以上に警戒度が上がります。NDP のパフォーマンス、イベントそのものに関わる方たちと同じぐらい大人数がセキュリティに関わっており、私たちボランティア部隊の隊員もそのほとんどがセキュリティに携わります。

 

会場入場者のセキュリティチェック。こういった任務中の隊員仲間の姿、普段は撮れないのでもう少し撮っておけばよかったと全日程終わってからちょっと後悔。

 

 

難しい仕事ではないですが、一般入場者に対してフレンドリーに対応しつつも、威圧感を与え過ぎない毅然とした態度と対応が必要です。一緒に任務についている隊員仲間から学ぶことがたくさんありました。

 

7月16日、一緒のセクション(班) だった隊員仲間と。

 

そして警戒レベルが上がっているのは会場と会場周辺だけでなく、シンガポール全体において。過去、あえてナショナルデーの日にマレーシアから脅威的なメッセージを出されたり、ナショナルデーと関係ありませんが、インドネシアの過激派テロリストがバタム島からロケットをマリーナベイサンズにロケットを打ち込む計画を出したり。シンガポールの国防は過去と日々起きている 911 に代表されるような世界的、地域的、国内での事件、事故を現実として捉え、起きるか起きないかではなく、シンガポール内でいつ起きてもおかしくないこととして日々のオペレーションに取り入れられています。

 

NS55 ~ 兵役55周年記念

 

今年シンガポール独立 57周年と共に、独立 2年後の 1967年から始まった兵役制度 55周年記念でもあり、パレード中にナショナルサービスで兵役についた方々に感謝を送るシーンがありました。

 

会場に向かって過去から現在において兵役につかれた皆さん、ご起立くださいとのアナウンスが入ります。拍手が沸き起こりながら次々と立ち上がる男性の方々。* 画像は生中継動画のスクリーンショットから、その瞬間。

 

パレード指揮官が “Hormat NSmen” ナショナルサービスマンに敬礼、と指令を出すと会場に向かって敬意が送られました。NDP 全体の中でわずか 1分程の内容ですがこのような感謝の表し方に胸が熱くなりました。

 

* そのシーン 1°27’13” から再生される設定にしてあります。

 

私たちがシンガポールで日々安全で平和な暮らしを享受できるのは、その安全と平和を守る警察、軍隊、消防、救急の仕事につく方々の苦労や努力があってのおかげ。そのお仕事の多くは兵役の方々によって行われています。私はボランティア隊員になって以来、その有難さを身に染みて痛感するようになりました。当たり前のようにも感じてしまう日々の安全、平和は勝手に出来上がっているのでもなく、むしろ壊れやすいもの。

 

パレードの終わりに心温まること

 

リハーサル、本番ともにパレードが終わって観客の皆さんを見送ります。赤と白の服を着たたくさんの人たちが一斉に会場から出てきますが、混雑にも関わらず皆さんほんとうに嬉しそうな表情をして出てきて満足度が高かったことが伺えます。

 

こちらから手を振って Thank you , Bye Bye と声をかけ続けると、たくさんの人が手を振り返してくれて、温かい言葉もかけてくれる人の多いこと。

You guys really good job !
Thank you for hard working !
Thank you for your service !
Rest well !
Good night !
辛苦了 (中国語でおつかれさま)
言葉はなしに親指を立てていいねサインを送ってくれる人もいます。いいねサインで返事します。
さっと敬礼を送る方もいます。これも敬礼で返します。
子どもたちには Hi Five をしたり。

 

1日中外にいて汗まみれになっているし、パレードが終わる頃はもう相当エネルギーを消費しています。日にちや役割分担にもよりますが、始発で家を出た日もありました。そんな中、笑顔で会場を後にする人たちを見ると元気をもらえ、あぁ今日も安全で無事に終わってよかったとほっとします。

 

真の強さとは何だろう?

 

今年の NDP に限ったことではないですが、シンガポールの力強さに触れる体験をするたびに考えさせられるのは『この国が進み続ける力はどこから来ているのだろう?』という問い。

 

私が感じているシンガポールの強さは、自国の弱みを熟知していること。

 

表面では何でもスマートにこなして成功し続けている国のように見えますが、その裏側にあるのは、完璧でなくていい、失敗しても当然、やらないで後悔するよりやって失敗した方がいい、といった常にチャレンジャーのマインド。そもそも何もなかったところからスタートしているので、歴史的背景からもこういったマインドを持てるのだろうなと感じることが多いです。シンガポールではよく Can do spirit と表現されます。もっと重要なのはマインドだけでなく行動を着実に起こし続けていること。どんなにいいマインドがあっても行動が伴わなければ、今のシンガポールはないはず。まずはやってみる。それゆえ失敗や間違えに寛容的です。

 

もうひとつは緊張感のある場所やシリアスな場面でこそ、常に笑いがあること。完璧でなくていいこと、笑いがあること。何事にも真剣に取り組むことは重要ですが、この抜け感が大舞台や本番に強いシンガポールをつくっていると感じます。

 

*

 

8月9日 ナショナルデー日和で絵になるような景色ばかりでした。

 

*

 

解散は毎回 21時半頃。会場からベイフロント駅に向かって歩きました。Helix Bridge にあった NDPマスコットの August かわいい!

 

我が家は最寄りの MRT 駅から歩いてすぐ。何か飲みたい!と思っても、駅前で何か買うより、家に帰って冷蔵庫を開けるほうが早いぐらいなのですが、1日終わった後はしばらく座って休みたいのと、駅で降りたら家まで待てないぐらい今すぐ何か飲みたくて、駅前にあるコピティアムで冷たいコピシコソンの大きいサイズを頼んで、座って一休みして気持ちを落ち着けてから家に帰ります。10分ぐらいだけどね、この 10分で主婦モードに切り替わるのかもしれません。

 

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毎年のスタッフタグが記念になっています。違う色を使う理由がありますが、なぜかはナイショ…。

 

Stronger Together, Majulah! が今年の NDP のテーマでしたが、まさに共に力強く前進し続けるシンガポールを感じたナショナルデーでした。

 

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