このところ暑い日がよく続きます。今年は暑くなるのが時期的にちょっと早い感じ。
暑い日に長時間外にいると、体が火照って冷たいものを食べたくなりますね。アイスカチャン、チェンドル、豆花 (ビーンカード) などはローカルフードの冷たいデザートで知られていますが、あまり知られていないのが チェンタン CHENG TNG、中国語で清湯と書いて、文字通り澄んだスープ、クリアスープの意味。伝統的な材料を使って作る薬膳中華スイーツです。
ジリジリと焼けそうに暑い日、冷たくて美味しいあのお店のチェンタンが食べたい! と思い出すのがコーナーホーカーの愛称で親しまれる Bedok ホーカーのチェンタン屋さん。チェンタンだけを売るお店です。
温かいもの、冷たいもの、どちらかを選べますが、とても暑い日に氷の入った冷たいチェンタンを頂くのが最高!
こちらのお店のチェンタン、幸せな気持ちに満たされる美味しさ。以前いろいろな所でチェンタンを食べてみましたが、ここより美味しい所はないと言えるのと、ここのチェンタンを食べたら他のお店のは食べられなくなるので、もう何年もここ以外では食べていません。飾り気のないとても素朴で優しい味です。
チェンタンに使うのは主に、ドライロンガン、冬瓜、バーリー、ギンナン、白きくらげ、サゴ、胖大海 (バクダイ、乾燥した植物の果肉でお湯につけるとものすごい大きく広がり、体を冷やす効能があるハーブティや薬膳として使われる食材) など。お店によって蓮の実、デイツ、クコの実を使ったりするレシピも一般的。材料を煮詰めて氷砂糖で甘くするスープですが、肌寒い日には、できたての温かいチェンタンもほっとします。
ご家族 (と言ってもおじさん、おばさん、いとこなど一族でお店を経営されており、こちらのおじちゃんはオーナーさんのご家族のお一人)
チェンタンのスペシャリスト! 店頭で丁寧に準備している様子に、お店の前に行っただけでわくわくします。
ホーカーだと多くの場所はプラスチックのお皿、お茶碗がほとんどですが、嬉しいのが、食べて行く時はガラスボウルと陶器のレンゲで出してくれます。持ち帰りの時は写真に写っているプラスチック容器に入れてくれます。食べて行くのも、持ち帰りも量はかなり多めなので、2人で 1つでちょうどいいぐらいですが、この 1杯で幸せな気持ちに満たされるので 1人で 1つ食べたい薬膳スイーツ。
チェンタンは中国の伝統的なデザートで、その昔エアコンなどなく、扇風機も一家に一台なかったような時代、暑い日に体を冷やすおやつとして食べられていました。1939年からご家族 3代に継がれてきたチェンタン、とても懐かしい気持ちになります。チャンギに近く、ウェストからはかなり遠いですが、ここのチェンタンは遠くても食べに行ってみてほしいお店。焼けそうな暑い日に冷たいチェンタンを食べてみて下さい。
夜来香
Ye Lai Xiang Cheng Tng
1 Bedok Road, Singapore 469572
Bedok Food Centre 内
円型になっている小さめのホーカーなので行けば分かります
09:00 – 19:00 となっていますが 15時頃には売り切れとなっている事も多いので早めに。
お休み : 月、火
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イラスト提供 Instagram @singapolah