2020年は一年で一生のことがあったような年 ~ Straits Timesによる Lawrence Wong氏インタビューより

Larence Wong 大臣

 

今年シンガポールで最も注目を浴びた方、そして活躍された方のうちの 1人と言ってもいいのではないでしょうか。1972年生まれ、今年48歳。政治家になったのは 2011年。このコロナでマルチタスクフォース (シンガポール政府によるコロナウィルス対策本部のようなもの) として務めたことにより(現在も継続中) 一気に脚光を浴びた方。

 

感染ピーク時にはほぼ毎日の記者会見。数々の記者会見での発言は厳しい内容でありながらも、国民に分かりやすく伝え、理解を求め、コロナで誰もが不安に包まれる中、芯のある揺るぎない独特の発言は、希望と安心感を与えるものでもありました。スマートでシャープな中にも頻繁に現れるソフトな内面も見え、シンガポール人でも Lawrence氏の才能をここまで知っている人は少なかったでしょう。将来の首相にといった声もかなり上がっています。

 

Straits Times 社、上級編集長による Larence Wong 氏へのインタビュー動画がとても印象的だったのでニュース動画、記事よりシェアいたします。ランチを介したインタビューは 2時間だったとのことですが、5分の動画の中に最も伝えたい部分が凝縮されている内容になっています。

 

Straits Times によるインタビュー動画

 

編集長
今年これまでで一番大変だったことは何ですか?

Lawrence氏
2011年、2015年の選挙と比べると選挙期間は本当に大変でした。それは選挙活動が大変だったのではなく、選挙活動期間中もタスクフォースとしてコロナへの対応があり、コロナに関する様々な件に対応しながら、選挙活動も同時にしなければいけなかったことです。

 

編集長
記者会見がたくさんありましたが、振り返ってみるとどの記者会見がいちばん心苦しい発表でしたか?

Lawrence氏
サーキットブレイカーに入ることを発表したのがいちばん大変でした。コロナウィルスに関する全体的な課題は、国民の命に関わるため、タイムリーな意思決定と政策が必要なことです。しかし特に感染が始まった当初は多くの事が不確実で、ウィルスに関する情報が少ないにも関わらずどうしなければいけないか、対策を決める必要がありました。また決めた対策によって経済や個人の日常に大きく影響を与えることが懸念されました。

 

編集長
来年の今頃、世界はどうなっていると思いますか?

Lawrence氏
安全で効果的なワクチンが出来上がっていると思いますが、どれぐらいの量が生産できて、どれだけ世界の人々に行き渡るかについては疑問が大きく、来年もコロナ禍が続くと考え、シンガポールは不安定な状況が続くと考えます。コロナ以前と同じ状況まで海外渡航、海外旅行ができるようになるのは来年も難しいでしょう。

 

編集長
日々コロナ対策に当たったことで、人として、政治家として、変わったことはありますか?

Lawrence氏
私自身が変わったかどうかは分かりませんが… シンガポールに対する新たな自信と希望を得ました。このコロナ禍、多くの不満や否定的な意見が飛び交う中でも、困難に立ち向かっていくシンガポールの人々の最高の姿、シンガポール人の魂を見ることができました。大いに希望と確信を与えてくれ、これからの将来、国家として私たちは共に力を合わせていくことができると確信し力になりました。

 

*

 

動画は誰でも見られるように youtube で公開されているのですが、このインタビューの有料版テキスト記事があります。有料なので公開できませんが、動画にはない学生時代のこと、ご家族、ご両親のことなども記事になっていて、政治家である以前に一人の人として Lawrence Wong 氏がどんな方なのか興味深い内容です。 

  

愛犬家でサーキットブレイカー中に 16年間一緒に過ごした愛犬レトリバーが7月に亡くなったとのこと。

  

Lawrence Wong のお名前で知られていますが、今回初めて知った本名が Lawrence Wong Shyun Tsai 中国語では 黄循财。「財が循環する」縁起のいいお名前にびっくり。財とは単に金銭だけではなく、才能、知恵や人間性も人それぞれの財産です。お若いし、お名前の通り、これからもシンガポール政治界でのご活躍がますます楽しみだと感じるインタビューでした。

  

■ インタビューで訪れていたレストランについて

Chez West
ITE West (高等教育機関で学校) – Choa Chu Kang 内にあるフランス料理レストランで、調理法とレストランマネジメントの資格取得コースを専攻している学生によって運営されているレストラン。

Chez West は期間限定でしかオープンしていませんがオープン時には一見の価値があるそうです。次のオープンは12月下旬。誰でも行くことができます。


限定オープンのため、常時オープンしている姉妹レストラン Amber West、こちらも学生さん方により運営されているレストランでこちらにお問い合わせくださいとのこと。


* 詳細はこちらからご確認ください

 

ITE内の学生さんが運営するレストラン、私も一度行ってみたいと思いました。

 

* ITE (Institute of Technical Education) は日本の高校に当たる教育機関。中学校卒業時点で、成績によって一般の高校、大学を目指さない学生は学歴重視の大学に進まない代わりに、大学では学べないような専門的な技術を身に着け、在学中に資格を取得し、就職に有利となるような専門技術を学ぶ高等教育機関。日本で言うと、技術高専や特定の技術を身に着ける看護学校、専門学校に近いです。

 
中学校卒業後 ITEに進む学生は様々な選択の道があります
* 中学卒業 → ITE卒業 → 就職
* 中学卒業 → ITE卒業 → ポリテク編入、卒業 → 就職
* 中学卒業 → ITE卒業 → ポリテク編入、卒業 → 大学 → 就職

 

バナーをクリックで応援お願いします!

にほんブログ村 海外生活ブログ シンガポール情報へ
にほんブログ村
イラスト提供 Instagram @singapolah

右上角の赤いメニューから、読者登録ページで Email アドレスを入れて頂くと、ワードプレスのシステムより記事が更新された時に、お知らせが届きます。アメブロの読者登録機能と同じです。どうぞご利用ください。