あっぱれ!ターマン氏強かった。
参りましたと言える圧倒的強さでターマン氏勝利
画像 : Straits Times
こちらは最終結果が出た瞬間のテレビ画面を写真で撮ったもの
ターマン氏が勝つのは疑いのないところだったし、蓋を開けてからターマン氏 70% は多くの人が納得できても、どれぐらい票を集めるかはどんな専門家でも未知数だったと思います。圧倒的勝利、ターマン氏シンガポール第 9代大統領当選おめでとうございます。
投票日のあれこれを振り返ります。
私は午前中早めに投票を済ませました。昨日、夫は選挙運営スタッフとして投票所に終日動員されていたので、私は 1人で投票に行きました。夫は朝 8時からの投票開始のため、6時半前に家を出て行きました。投票会場は自宅から歩いてすぐの小学校。投票場で夫を見つけて軽く手を振って。
小学校の敷地内に入った時は、へぇ、投票会場ってこんな風なのね…と初めての体験を物珍しく、楽しんでいる自分がいましたが、投票会場の体育館に辿り着いた瞬間、急激にどしっーん、とした重みを感じて何とも言えない感情がこみ上げてきました。シンガポール国籍を取ろうと決めた理由はいくつかありますが、その中の 1つがシンガポールでの参政権を得たいと思ったこと。コロナ禍で行われた 2020年の激戦だった総選挙を体験して、私も一国民として一票を投じたいと思ったこと。それが今、現実になっているという嬉しさに満たされて感慨深い瞬間でした。
シンガポールの選挙が行われる時、投票所の現場スタッフ、投票締め切り後の投票用紙を指定された場所に運搬する作業、開票作業など、選挙に関わるオペレーションは政府系組織の公務員が招集されて運営に当たっています。選挙のたびに毎回召集されるわけではなく、動員されるかどうかはランダム。公務員とは例えば MOE 教育省、MOM 人材省といった政府系組織で働いている方のことで、夫によると同じ投票所に動員された方々は学校の先生が多かったと話していました。
投票終了は夜 20時。そんなわけで投票終了後、夜遅くなって帰宅した夫と娘も一緒になって、投票所で何かおもしろいことあったー? こんなだった、あーだった、こんな変わった人がいて…😆😆など夫からたくさんのエピソードなどを聞きながら、投票日の 1日についてあれこれ話していました。選挙に関するプロトコルを細々公開するのは好ましくないので、ここでは書きませんが、シンガポールらしいなと思う合理的な決まり、投票日に起きるであろう想定される出来事への対応方法や、オペレーションの裏話。ほほーっ、さすが、と感心することに加えて、ひゃはは~っと笑えることが多いです。
テレビでも投票日の 1日振り返りと、その後の開票について映し出されていましたが、その様子を見ながら家族 3人で出した開票予測はこちら。3人ともはずれな結果になりましたが😆
そうこうしているうちに、あっという間にサンプル開票速報が出たのが 22時45分。
左の数字がサンプル開票速報値、<>内が最終結果
– Tharman 70% <70.4%>
– Ng Kok Song 16% <15.72%>
– Tan Kin Lian 14% <13.88%>
この通り、最終開票まで確認しなくてもサンプル開票と最終開票結果の差は ±数パーセントと、サンプル開票の精度は極めて高いことが分かっています。最終まで開票確認しないと何とも言えないぐらいの僅差でない限り。
これだけ圧倒的勝利ならもう見なくてもいいと、終日投票所動員で疲れた夫は先に寝ましたが、私は生中継で最終開票結果発表を見たかったので最後まで起きていました。娘が一緒に起きててあげると言ってつきあってくれました。
サンプル開票結果が出てすぐ 3名の方のインタビューが、それぞれのお人柄が色濃く出ていてとても印象的でした。
70% のサンプル開票結果を受け、ご本人が嬉しそうだったのはもちろんですが、ターマン氏のサポーターの盛り上がりがすごかった。生中継で Majulah Singapura! と叫ぶ声が聞こえてきて、テレビ中継のリポーターの方も現場の様子を冷静に伝えようとしながらも、興奮が伝わってきて、高揚感あふれる空気が画面を通して伝わってきました。
支持者による熱狂的な盛り上がりの様子とターマン氏のインタビュー動画
インタビューの始まりと終わり “I am truly humbled.” 「身が引き締まる想いです。」の一言が非常に印象的。圧倒的勝利だったことが納得できる人の一言で、大統領にふさわしい方の一言。
70% の結果は実に素晴らしく、総選挙では 与党 PAP を支持しない国民も、ターマン氏を強く支持したことが分かります。政権に関わらない大統領選であったから。が大きな理由ではありますが、この結果を受けて、近年国民からの風当たりが強くなっている PAP は国民が何を求めているのか、どんな希望を持っているのかを慎重に読み取って、重く受け止め、リー首相からローレンス首相へと、新体制シンガポールに向けて励みのひとつにして、ターマン大統領と共に進んで行ってほしいと願わずにはいられません。
やはり今回のダークホースでした、ンコクソン氏。得票率 15.72% と高くはなかったものの、国民には知られていなかった実業家のコクソン氏が、大統領選再挑戦のタン氏を破ったことは大健闘と言えます。
サンプル開票直後のコクソン氏インタビューも非常に印象的でした。潔く敗北を認めつつも、悔しさがにじむ表情と言葉のひとつひとつ。できることをやり遂げた力強さを感じ、感謝の言葉を伝えるシーンでは、涙がこぼれ落ちるのを何度もこらえているように見え、大統領選出馬という挑戦が容易ではなかったことを感じました。
インタビューの中でコクソン氏が、今後シンガポール政治で政党に左右されることなく、無党派の活躍をもっともっと期待していると述べていましたが、そのことをまさにご自分で行動して見せた方。彼はこの大統領選で知名度、人気度、注目を一気に集め、コクソン株急上昇。大統領選の前日、記事に書いた通りですが、2025年総選挙に無所属で立候補して挑戦してみても良いのではと個人的に思います。
大健闘。お疲れ様でした。
タン氏 13.88% の結果はもう少し伸びるのではないかと思う面もありつつ、妥当と感じる面も大いにあります。1つ私の予想が正しかったのは 3名の中ではタン氏が最下位だったこと。
私が思っていたこと、と言うかこれはシンガポール国民がどう考えているかに繋がるはずで。タン氏の投票率がどれぐらいになるかで、現政権への危険度がある程度読めることになります。もしもタン氏が 25-30% ぐらいの得票率を得たとしたら、これは危険度が相当高い「かなりヤバい状況」と考えていました。心配をよそに、怖れていた結果は起きず、国民が冷静な眼、心と判断を失っていないことに安心しましたね。
なにしろタン氏の態度、姿勢、言葉は大統領にはふさわしくないものが多く、人間なので誰でも完璧ではなく口がすべるってこと 1度や 2度はあります。それで百歩譲ったとしても、国民へのアピールは、大統領という重職に挑戦している立場で発言し、言葉を丁寧に選んでほしい。それが、タン氏の場合、根本的なあり方が大統領にふさわしい人物ではなかった。ここでは私の個人的主観で言っていますが、多くの国民が同意するはず。
一晩明けた土曜日の朝も、我が家はターマン氏圧倒勝利の話題で持ちきり。この週末はシンガポール全土、ターマン氏大勝利の話題に包まれそうですね。
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