美味しいローカルフードが揃う Beach Road のゴールデンマイルホーカー。ホーカーや、タイ料理が集まるゴールデンマイルコンプレックス、アラブストリートにも近く、見どころ、美味しい食べ物の多い地域ですが、その一角に古~い伝統潮州菓子屋さん Sze Thye Cake Shop 四泰餅家 があります。
ゴールデンマイル辺りに用事がある時に立ち寄るのですが、先日近くまで行ったので、久しぶりに行ってみました。
たまにお手伝いさんがいるのですが、後継ぎをする人もいなくおじちゃん (もうおじいちゃんですが) 1人で作って、売って、切り盛りしているお店。旧正月向けお菓子の準備で忙しいかな…と思いながらお店をのぞいて見ましたが、そうでもなさそう。店主で菓子職人のおじちゃんがせっせと作業をしているところでした。
お店はゴールデンマイルホーカーからすぐ、HDB 階下にあります。
薄暗い感じだし、知っていないと前を通っても素通りしてしまうと思います。
長いこと行っていなかったので、変わらずお元気そうに作業している姿を見たらほっとしました。
ちょうど何やら出来上がったようでラップをかけてラッピングしているところでした。すごいでっかい! これはお祝いやお供えに使う縁起物のお菓子。 pig ? と聞いたらそうだと。
英語は片言しか話さないおじちゃん。英語は分かんないよと言いつつも、喋ってくれ、私もなんとか知っている中国語を使って話します。お店の前に出すんだ、と折り畳みテーブルを広げてちょうど並べたところ。
いくらか聞いたら 1つ $120
左はピーナッツ、右はゴマでできています。
赤いトレイは 50、60cmはある大きさ。同じようなお供えに使う、動物や魚の形をしたピーナッツでできたお菓子を売っているのですが、こんな大きなものは初めて見ました。
潮州のお菓子はピーナッツを使ったものが多くあります。ピーナッツキャンディ、中国語では花生糖と呼び、潮州の伝統的なお菓子。潮州人の結婚式にはお菓子を揃えて親戚に配ったりするのですが、夫の家族が潮州なので、私達の結婚式の時にもピーナッツキャンディを始め潮州のお菓子を用意しました。私がピーナッツキャンディを初めて知ったのはその時でした。
個人向けにおやつで食べるようなピーナッツキャンディを手作りして売っている昔ながらのお菓子屋さんは、シンガポール内にまだまだ数残っていますが、こちらの Koh さんはシンガポールに残る唯一の砂糖菓子職人。
砂糖菓子と言っても特殊なもので、主にお供え、お祈りに使ったりするもの。
ピンク色のものがそうですが、砂糖でできていてお寺や獅子の形をしています。
以前ちょうど砂糖菓子を作っているところを見たことがあるのですが、どろどろのお砂糖を木製の型に入れて固めて、固まったら型から外します。しばらく見ていましたが、根気がいりそうな重労働でした。この類のお菓子、昔ながらの中華菓子屋さんに置いているのを見かけますが、おそらく大多数は機械で作った量産品、マレーシアから輸入するのではないかと思います。
シンガポールでただ一人残っている、この砂糖菓子を作る職人さんだという中国語新聞の記事がお店に貼ってあります。
店主で菓子職人の Kohさん
もしかしたら多くの人は買うのをためらうようなお店かもしれません。馴染みのないお菓子ばかりで買いたいものはないかもしれません。おじちゃんに話しかけてもぶっきらぼうに感じるかもしれません。でもお店に行ってみると何か感じるものがあるかもしれません。
後継ぎもなく、きっと、お店はそう長くないうちに消えてしまうでしょう。常に未来へ進むシンガポールで、何を残していくかは本当に難しいことだと常々感じたり、残すことに執着しないで進み続けるシンガポールも私は好きです。せめて写真に撮って、文字に残して、どこか記憶の片隅に残っていたら…と思います。
私は行ったら必ずピーナッツキャンディを買います。潮州のお菓子なので夫も大好き。
立ち寄ってみて下さいね。
Sze Thye Cake Shop
2 Beach Road, Singapore 190002
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