多民族国家シンガポールのクリスマス事情

クリスマスウィークですが静かなシンガポール。クリスマス前最後の週末は多くのショッピングモールで買い物、外食でずいぶん混みあったようですが、ピーク時だけの一時的なもので全体的にはひっそりしています。

 

クリスマス。日本では宗教的なお祝いの意味よりも、宗教に関係なくお祭り、イベント的な要素が強く、たくさんの方がお祝いし、お祝いするというよりはクリスマス時期の盛り上がりを楽しむ人の方が多いような気がしますが、皆さまはいかがでしょうか?

 

 

多民族国家シンガポール。シンガポールでも宗教に関係なく、クリスチャンでなくてもクリスマスを祝う方はたくさんいますが、日本でのクリスマスとはちょっと違う事情もあります。

 

シンガポールの宗教の内訳

– 仏教 33%
– キリスト教 18%
– イスラム教 14%
– 道教 10%
– ヒンズー教 5%
– その他 0.6%
– 無宗教 18%

* おおよそ分かれば良いことを目的としているので、小数点以下を省いているものもあり、足してきっちり 100 にはなりません。

 

クリスマスの捉え方をちょっと考えてみました。3つのグループに分けられると思います。

1 – クリスチャンの方で宗教的なお祝いの意味が大きい方
2 – クリスチャンではないけれどクリスマスをお祝いする方、楽しむ方
3 – クリスマスを祝わない方

 

日本は 2に偏っていますね。シンガポールは 1と2が大多数、3は少数派ながら一定数存在し、イスラム教の方を始めクリスマスをお祝いしない方がいます。

 

我が家もクリスマスは積極的にはお祝いしません。宗教的理由ではありませんが、夫も私もクリスマスの商業的な盛り上がりにどちらかというと否定的。否定的というとネガティブな感じですが、否定しているわけではなくただ単にお祝いしないだけです。ディパバリやハリラヤが日本人やお祝いをしない民族にとって、単なる祝日なのと同じ感覚で、我が家はクリスマスも普通の週末と変わらない、そんな感じです。

 

クリスマスパーティーに誘われたら行くし、ぜったいにお祝いしませんといったものではありません。我が家はそんなわけで、サンタクロースなんていないよ、なんて夢のないことはあえて言わなくとも、娘は割と早いうちからサンタクロースは信じていませんでした。クリスマスプレゼントは買ったり買わなかったり、毎年その年によって違いますが、寝ているうちにベッド脇に置いておくのはやったことがなく、買うなら娘が欲しい物を一緒に買いに行きます。

 

クリスマスをお祝いしない

 

クリスマスを祝わないイスラム教徒の方。クリスマスはキリストの誕生を祝うお祝いのため、イスラムの神アッラーを信じるムスリムの方はクリスマスをお祝いしません。ただ時代は移り変わり、シンガポールもそうですが、イスラム教の方、イスラム教徒が多い国でクリスマスを祝う、祝うと言うより祝ってもいいと受け止める方がずいぶん多くなっているのも事実。

 

イスラム教の方の中にもいろいろな考えの人がいて、クリスマスは祝わないし、祝いたくない、他の宗教の人にすらメリークリスマスという言葉を言いたくないといった厳格な人から、学生など若い年齢層では違う民族の友達と交流しあってクリスマスパーティに参加したり。捉え方は実に様々。

 

またシンガポールではイスラム教でなくても、我が家のようにクリスマスに対して割と冷めている華人の方、ご家庭も多いです。中国のクリスマスも日本同様、宗教的意味はほとんどなく、特にご年配の方は以前クリスマスを祝う習慣はありませんでした。 50代以上の年齢になると、小さい頃から家庭でクリスマスを祝う習慣がなかったから今も祝わないという方もいます。

 

Merry Christmas と Happy Holiday

 

この時期 Merry Christmas ではなく Happy Holiday を使う習慣も一部あります。多民族に配慮し、クリスマスを祝わない人がいることも考えて、あえて Merry Christmas とは言わずに Happy Holiday を使う気遣い。多国籍企業などで使われたり、シンガポールでも Merry Christmas ではなく Happy Holiday , Season’s Greetings を使っているところは多くあります。

 

日本人でムスリムのお友達はどう感じているかな、と思い週末に連絡をとってみました。彼女はやはり仕事で業務上の取引先とのメールとは言え Merry Christmas と書いてあると違和感を感じるようになった。と話してくれました。

 

*

 

クリスマスをお祝いする方にとっては一年の中で大切なお祝い。特に欧米、南米、アジアでもフィリピン、韓国などの方にとって大切なお祝いシーズンですが、シンガポールでは日本のような感覚でメリークリスマス! とはならない事情があるのも知っておくと良いと思います。

 

TPO や相手の方に合わせて Merry Christmas , Happy Holiday, Christmas season, Hoiday season など使い分けられるとスマートですね。

 

一年を通じて違う民族、違う宗教のお祝い事が常にあるシンガポール、その度ごとに首相がお祝いのメッセージを出されますが、多民族に配慮したリー首相の投稿はいつも素晴らしいメッセージ。( 昨年のクリスマス、首相はどんなこと書かれていたかなと思い、がんばって 2019年12月までさかのぼってチェックしました! )

 

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イラスト提供 Instagram @singapolah

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