潮州粥 ~ ほっとする庶民的潮州料理

潮州粥  Teochew Porridge

 

ご存じの方には度々のご説明になりますが、潮州 (ちょうしゅう) とは中国の場所のことで、潮州市という所があります。中国南東部、広東省の沿岸にある都市で、この辺り一帯は潮州人が住む地域。潮州人の多くがアジア、東南アジアを始めとして世界中に華僑として移住しており、華人シンガポール人の多くも潮州にルーツを持つ方が多く、福建人に次いで、2番目に多いのが潮州人です。

 

夫の家族は潮州人。お父さんもお母さんも、両祖父母も潮州人なので、夫兄弟の世代までは皆 100% 潮州人!お母さんが家で作る料理も潮州料理。日頃からいちばんよく食べるのが潮州料理で、私にとっても中華料理の中では潮州料理がいちばん親しみ深い食べ物です。

 

油っこく、味付けが濃い中華系の料理の中でも、潮州料理は全体的に割とソフトで、蒸し魚など蒸し料理、魚介類をよく食べ、味付けが薄めなことが特徴です。そして潮州料理のなかでも庶民的な食べ物のひとつが潮州粥。

 

「お粥」と聞くと、日本人の場合は、お腹を壊したときや、具合が悪いときに食べるイメージだったり、美味しそうなイメージ、食べてみたいイメージはあまり浮かばないかもしれませんが、お粥は華人には庶民的な食べ物のひとつで、中国の食文化でもあります。

 

潮州粥の特徴

 

お粥とおかずが別々で、自分で好みのおかずを選びます。お粥は水気が多く、味がないプレーンなものですが、潮州粥の名店ではお粥にシークレットレシピがあると言われます。潮州粥のお店はガラス越しに数々のおかずが並んでいるのが特徴的。魚介類、お肉類、たまご、お豆腐、野菜炒めなど、とにかくおかずが豊富。

 

 

 

おすすめのおかずはいくつかありますが、我が家で食べに行く時は、ヘビーヒャムとイカンビリス、どちらか 1つは頼みます。

 

写真の奥、茶色くて盛られているのがヘビーヒャム、手前がイカンビリスとピーナッツ。イカンビリスはお店によって甘めだったり、辛めだったり味付けもいろいろ。

 

Hae Bee Hiam ヘビーヒャム
干しエビを唐辛子、スパイスなどと一緒に炒めたもの。ライムを絞ると美味しい。

Ikan Bilis イカンビリス
干した小魚を揚げたもの。クリスピーで辛いほうがプレーンなお粥によく合います。ナシレマのサイドによくのっているのと同じです。

 

 

エコノミーライス屋さんと同じ要領で頼みます。潮州粥のお店はオーナーはシンガポール人でも、働いている方は中国の方が多く、中国語しか話さないお店がとても多いですが大丈夫。指差しでこれちょうだい、あれちょうだい、とおかずを指差して、おかずを全部選んだら最後にお粥 (お椀の数) を頼みます。

 

我が家は家から近いこの2店しかほぼ行きませんが、潮州粥のお店はシンガポールではどこにでもあり、お住まいの近くで美味しいお店や行きつけのお店を見つけるのが一番。

シンガポール北東部で人気のある潮州粥屋さん2店

Heng Long Teochew Porridge
1012 Upper Serangoon Rd, Singapore 53470他にNorthbridge, カトン, タンピネスの4店舗あります。Kovan本店がいちばん美味しい。

Ah Seah Teochew Porridge
31 Teck Chye Terrace, Singapore 545731

 

シンプルなローカルフードで、ほっこり安心する食べ物。舌鼓を打つといったような豪華さはありませんが、潮州系華人はもちろんのこと、華人の方に広く愛されています。

 

潮州粥と対照的な、お粥の中に具が入っている広東粥の美味しいお店もご紹介しますのでお楽しみに。

 

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イラスト提供 Instagram @singapolah

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