世界で砂が希少化しているのをご存じでしょうか。砂が足りないのです。
世界規模で足りないのですが、シンガポールでもかなり以前から砂が足りないと言われています。砂は建設用にセメントを作るのに必要だったり、埋め立てをするのに必要で、世界の国々がどんどん発展してビルを建てたり、埋め立て地を作るためどの国でも砂を必要としています。
■ Yahoo Japan による 2019年6月の記事ですが、世界の砂事情について興味深い内容
(文字をクリックでリンク先に飛びます)
この Yahoo 記事によると、データが正確ではないとしながらも、世界最大の砂輸出国がドイツで、世界最大の砂輸入国はシンガポールとあります。こんなに小さな国なのに世界でいちばん砂を輸入しているとは驚きです。
シンガポールの国土が広くなっていると聞いたことがあると思いますが、独立してからの 50年で約25% 国土が広がっています。
<シンガポールの面積>
1965年独立当時 581.5km2
2018年のデータ 724.2km2
約25%増
特にお隣のマレーシア、インドネシアからはシンガポールの埋め立てによる国土拡大について良く思われていないのです。砂の多くをマレーシア、インドネシアから輸入しているため、隣国から輸入した砂を使って、小国シンガポールが国土を拡げどんどん発展していくのはおもしろくないといった面もあり、長年シンガポールにはもう砂はやらん! と言われてきました。そしてシンガポールも砂の確保に必死なのです。
そんな事情もあって、シンガポールでは常に砂をリザーブしています。シンガポール各地に砂がどーんと積んである砂備蓄場があります。貴重な資源なので有刺鉄線が張り廻られ、立ち入り禁止エリアになっており、遠目にしか見ることはできませんが。
2018年年末から2019年の年始にかけては、トゥアス沖を埋め立て拡張しているシンガポールに反発したマレーシアと領土、領海問題から領空問題にも発展し、シンガポールは軍を配備して一時緊張した時期が続いたこともありました。事情はちょっと違いますが、日本で起きている尖閣諸島の領海侵入問題と同じようなことで、「国」「領土」といった概念があるうちは、世界各地で領土問題、領海問題、尽きないのでしょうね。
先日、シンガポールのごみ最終処理セマカウ島について記事にしましたが、ごみを焼却処分した灰から NewSand をつくる開発に着手したことに触れました。シンガポール産の再生砂を実用化できれば、砂の入手について困ることもなくなり、逆に他国へ輸出して売ることも視野に入れているでしょう。
将来もし再生灰からの再生砂が実用可能になれば、ごみを利用して自国で砂を生産し、活用できるようになることは良いことですが、開発、発展の裏には自然破壊、環境破壊もあり。とは言え開発により便利になって恩恵を受けているのは紛れもない私たち自身であり、単に開発をやめましょうというのも非現実的。環境問題と人間のどこまでも終わらない欲望の両方を考えると、とても複雑な気持ちにもなります…。
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イラスト提供 Instagram @singapolah