リー首相がスピーチをされる時によく登場するブルーの湯呑み。今年はコロナ関連で首相スピーチが多く、あの湯呑みを目にする機会、数多くありました。
Supermama より発売された 魔法の湯呑み
”Majic, The Legendary Language-Changing Cup”
買いました。
7月に販売開始となり、シンガポールのメディアサイトでは多数紹介されているのでご存じの方も多いと思います。初回販売で在庫はすぐに売り切れたそうで、私は一足遅かったのですが第二弾で予約をして 9月初旬に受け取りました。
湯呑みをつくることになった 2020年4月3日 サーキットブレイカーについてアナウンスする首相スピーチをもう一度じっくり見てみました。
24分のスピーチ。 英語で始まり → マレー語 → 中国語 → 英語で締める 構成になっており、 言語が切り替わるタイミングで、湯呑みでお水を飲むシーンが 3回あります。
1回目 英語から中国語へ
2回目 中国語からマレー語へ
3回目 マレー語から英語へ
お水を飲むと魔法のように言語が変わることから、あの湯呑みがあればマルチリンガルになれる! カップにはどんな水が入っているんだ? など国民の間で話題になりました。
7月下旬、総選挙後の会見でも手元に湯呑みがあります
そしてあの湯呑み 1つではなかった! 総選挙後の7月下旬、組閣をした際に国会議員が集まって行われた会見。湯呑みが 1人に1つありました。
こちら遠目で写真では分かりにくいですが、全員に湯呑みがあります。
おそらく多くの方にはどうでもいいことだと思いますが、あの湯呑みがいっぱいある! と新事実に 1人 ふふっ、としたワタシ^^
湯呑みは箱に入っていて、箱を開けると、湯呑みをデザインし、作ったその想いについて書かれているカードが入っていました。
2つ購入しました
<湯呑みに添えられているカードより>
コロナ禍において国民に向けた首相スピーチが度々ありましたが、スピーチ中によく使われることで知られるようになった湯呑み。湯呑みから水を一口飲むと違う言語のスピーチが始まることで ”魔法の湯呑み” と話題になり、コロナで暗いニュースが続く中、この青い湯呑みが国民へユーモアをもたらせてくれました。
湯呑みは、シンガポールのヘリテイジツリーの 1つであるテンブスツリーの花と葉っぱをデザイン。テンブスツリーは resilience, dynamism, purpose, usefulness : 困難からの回復力、力強さ、目的/目標、有用性といった意味を持つことで知られています。この湯呑みがコロナ禍でも希望をもたらすようなアイコンとなったらとの想いをこめて作りました。(*カードに書かれた英文を意訳)
テンブスツリーと聞いてピンとくるでしょうか。$5 札の裏がテンブスツリーです。まさに City in the Garden であるシンガポールを代表する大樹の 1つです。湯呑み実物だけでなくカードに書かれた想いを見てますます愛着が湧いてきました。
リー首相、スピーチ中にお水を飲むのはなぜでしょうか。熱を入れて集中して話されていますからのどが渇く、のどを潤すためなのはもちろんですが、お水を意識して飲むようになる出来事が以前ありました。
2016年の NDR – National Day Rally ナショナルデーの後に毎年行われる首相による国家方針演説中、お水を飲まずにしゃべり続けて脱水症状で倒れてしまったことがあるのです。その時、我が家では生中継でテレビを見ていたのでよく覚えています。ほんとうに急に倒れ、会場はもちろんでしょうけれど、テレビを通して見ていた人たちも騒然となりました。テレビは会場の様子を映すのではなく、しばらくお待ちくださいといった画面にすぐに切り替わりました。
20~30分ぐらいだったでしょうか。休止になった後、首相は無事ステージに戻って来られ、ステージに立つと励ましの拍手大喝采。いやぁ驚かせてすみません。脱水症状でした。お医者さんに取り急ぎ診てもらい、大丈夫な事が分かりましたが、改めて精密検査に行きますので皆さんご心配なく。といったことを話し、スピーチはその日はそれで終了となりました。大丈夫そうなことが分かり、さらに会場からの盛大な拍手。そんな一幕がありました。
ものすごい熱量でエネルギーをこめて話されているでしょうし、スピーチの際には見栄えのする照明も使っておりライトによる強い熱も加わることが原因だったようですが、それ以来、首相はスピーチ中に特に意識してお水を飲まれるようになったのです。
*
湯呑みをデザインされた Supermama オーナーでありデザイナーでもある Edwin さんに、湯呑みのことについてお話を伺いたいと思い、湯呑みを受け取りに行った時、もしお店にいらっしゃれば話してみたいと思ったのですが、あいにくその日は不在でした。お店のスタッフの方にオーナーがいらっしゃる日を聞いたので、できれば近々直接お話しできる機会に恵まれたらと思っています。
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イラスト提供 Instagram @singapolah