シンガポールの結婚式では日本では馴染みのない文化、習慣があります。華人シンガポール人の結婚式で一般的に行われる習慣で、10年以上経っていますが私自身の経験談です。
結婚式(披露宴)当日の朝にするお祝いのセレモニーは
■ ゲートクラッシュ
■ ティーセレモニー(献茶式)
■ 新郎の家で褂に着替える
ゲートクラッシュは文字通り「玄関を打ち破る」こと。新郎につく男性チーム Brothers と、新婦につく女性チーム Sisters 当日の早朝、新郎は新婦の家にお迎えに上がるのですが Sistersチームは、新郎と Brothers に難題やゲームを投げかけて簡単に家には上がれないようにする習慣です。
腕立て伏せX回とか、レモンを食べさせるとか、たくさん餃子を用意しておいて、いくつかにすごく辛いチリが入っていたり。クイズをして当たらないと玄関を上がれないようにしたり。結婚するカップルの数だけありとあらゆる種類の仕掛けがあり、いろいろなアイデアや工夫が見られて面白いです。ビデオを撮影するチームがいて、その様子は動画撮影し、夜に間に合うように編集し、夜の披露宴の時、会場でプロジェクターでスクリーンに映しゲストに見てもらいます。ビデオ撮影は友達に頼んだり、結婚式向けのそういったサービスをするフリーランスの方、業者がたくさんあるので、写真撮影、動画撮影がセットになっているパッケージを購入します。
新婦の家でゲートクラッシュを終えると、新郎は新婦を連れて、新郎の実家へ移動します。ティーセレモニーは中国の結婚式で古くから行われる伝統的な習慣。両親、親族にお茶をささげることで新婦は新郎の家族に家族として迎え入れられたことを意味し、新郎の両親、祖父母、歳上の兄姉、おじさんおばさんなど親戚、目上の方にお茶を飲んでいただくセレモニーです。
ティーセレモニーは世界中の中華系の方が行う結婚式の習慣で、アジア以外にも欧米でも広く行われています。
ティーセレモニーの他には、新郎の家では、新郎のお母さんが伝統的なチャイニーズデザートを作ってくれます。末永く甘い2人でいられるようにとの意味があります。
ティーセレモニーが終わると、新婦は新郎の家でウェディングドレスから褂(Kua) という中国の伝統的な花嫁衣裳に着替えます。
『褂』 北京語では gua ですが、華人シンガポール人のルーツ、中国南方由来の言葉では kuaと呼ばれています。褂はジャケットの意味で、ジャケットとスカートからなるツーピースの婚礼衣装。孔雀や鶴、牡丹の花など吉兆を象徴する刺繍が入ったもので、着物ほどではありませんが、着るとずっしりと重みがあります。ウェディングドレスから kua に着替えて新婦の家に戻りますが、これで嫁入りしたということを意味します。
他にも細かく様々な文化、習慣がありますが、特に印象に残る部分だけをまとめました。また、日本でも地方によって習慣が違うように、華人シンガポール人の中でも、福建、潮州、広東、客家…と民族によって違う細かな違いがあるのはとても興味深いです。
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イラスト提供 Instagram @singapolah