友人、知り合いの方からシンガポールの方の結婚式に呼ばれた場合と、不幸があった場合にどのようにすれば良いのか、具体的にいくらぐらいお金を包めばよいのか、お花はどうするかといった質問をいただくことがあります。先月、義理兄が他界したこともあり、私自身も当地の冠婚葬祭ついて新たに学んだこと、マナーについて考える機会があり、記事でまとめることにしました。
個人以外でも、会社関係では人数がある程度の中規模企業であれば、社員の方、社員のご家族の冠婚葬祭について、会社の現地スタッフに聞けばささっと手配してくれることがほとんどだと思いますが、中には駐在または日本人 お1人とか、立ち上げたばかりの企業、現地事情が分かりにくいといった状況の方も多いと思いますので、参考になれば幸いです。
日本ではフォーマルな披露宴だと招待状が郵便で送られてきて、葉書で返信するやり方が多いですが、今はオンラインで送られてきて LINE で返信といったこともあるのでしょうか?
シンガポールでも招待状を用意しますが、郵便で送ることはほとんどなく手渡しが多いです。親戚一同には結婚の挨拶も兼ねて招待状を配って回ります。または両親経由で手渡してもらったり。
お友達には渡せる人には手渡し。中にはすぐに会えないお友達もいるので一部郵送も使ったり。特に近年はオンラインですませる傾向も高く WhatsApp で画像にした招待状を送り、WhatsApp で出欠の返信をしてもらうほうが主流かもしれません。
私たちが結婚した時の招待状、今もとってあります。
華人シンガポール人の場合、英語と中国語の両方記載(日付けは旧暦も記載)
2007年のことなので古いですが、夫のいとこの結婚式へ出席することが多くあり、この2、3年も基本的な形式は変わっていません。
会社の責任者、管理職の方など、現地社員、部下、同僚の結婚式に招待されることがあると思います。そんな時、ご主人お一人ではなく、招待されていなくても奥様、お子さんと一緒に行っても大丈夫です。シンガポールではパートナーや家族も一緒に出席するのはごく普通のことで、大切なのは、誰と何人で出席させてくださいと返信を入れること。シンガポールの結婚式は民族に関わらずとにかく人数が多く、計画と準備がものすごく大変なので、出欠の連絡を入れます。SMS/WhatsApp を使って連絡で充分です。
お祝いは旧正月に使う、赤いアンパオの袋と同じものを使います。結婚式専用のアンパオ袋もありますが、わざわざ用意する必要もないので、旧正月用のもので綺麗なデザインや 「福」「春」などおめでたい文字が入っている物も良いです。銀行名、ホテル名など企業名の入っているアンパオ袋もまったく問題ありません。誰からのアンパオか分かるように、裏には名前を書きます。おめでとうのメッセージを一言添えると良いです。
金額ですが、ピンからキリまで。当人との関係性、関係の深さ、招待された方の立場、懐具合など、本当に人それぞれなので決まりはないとも言えますが、目安となる相場はあります。1人 $100~200 の間が一般的な相場でしょう。先にご家族で出席しても良いと書きましたが、その場合、ご祝儀は出席人数分渡すのがマナーです。
■ こちら、2020年8月にアップデートされた、シンガポールの結婚情報サイト SINGAPORE BRIDES によるご祝儀の相場リストがありましたのでご参考ください。主要なレストラン、ホテルごとに相場がリストになっています。
日本では結婚のご祝儀は、割り切れないようにと奇数を好みますが、シンガポールでは華人の場合は偶数です。キリのいいところでは $100、$200。 また日本人には中途半端な金額と思えますが $220、$280 などは、華人の方にとっては吉兆数字です。あえて $300 奇数の 3 を避けるために $320 にしたりといった意味合いでアレンジもできます。
シンガポールの披露宴は想像以上にカジュアルで、最初は拍子抜けする方が多いと思います。ホテルだと20テーブル(200人)ぐらいがミニマムで、とにかく人数が多いです。人数が多いので、新郎新婦と話したりできる時間もほとんどなく、同じテーブルの会社の方、お友達と、お喋りをしながらお食事を楽しむといった雰囲気。
招待された方は日本の披露宴ほどドレスアップする感じではなく、ちょっとお洒落していくぐらいの感じで。もちろん新郎新婦がどのような方か、または関係性、どんなホテル、レストランかにもよりますが、男性の方はシャツとスラックス、ネクタイなしでOK。女性はワンピースが多いですね。暖色系など、過度に派手過ぎない華やかな色使い、お祝いにふさわしいお洋服が良いです。新郎新婦と関係が深ければイブニングドレスなども。招待客は全体的に日本よりはかなりカジュアルな装いです。
「紅白喜事」と書いて中国語で冠婚葬祭の意味です。紅(赤)がお祝い事、白は葬儀を表します。日本では紅白が揃ってお祝い事ですが、華人文化では白は不幸を表し、お葬式は黒ではなく白です。日本では結婚式は男性は白いネクタイをしたり(最近は白いネクタイあまり使われなくなっているようですが)、純白の花嫁さんのイメージ、清潔感から白は好まれますが、華人文化ではお祝い事は赤系、暖色系で。男性のネクタイも結婚式他、お祝いの行事には、日本では目立ちすぎて好まれないような、ちょっと派手かなと思うぐらいのピンク、赤のネクタイがおすすめ。
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今年はコロナで冠婚葬祭も大きく影響を受けました。今年披露宴を予定されていた方は、入籍だけを先にして、披露宴は延期にしているケースが多いようです。ただ葬儀はそうもいかず…。
先日まで、入籍式、結婚式、お通夜、葬儀は 20人までの制限がありましたが、8月4日から緩和となり、現在は結婚式 50人まで、お通夜、葬儀が 30人までとなっています。(* 一部特定会場で別の規定あり)コロナ禍で結婚式にご招待されることは少ないと思いますが、お祝い事もたくさんの人が集まって盛大にお祝いできる日が早く来ることを願うばかりです。
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イラスト提供 Instagram @singapolah