都市と自然、動物の共存 ~ 都会に戻ってきた野生カワウソの家族

シンガポールの川辺、公園などあちこちで、野生のカワウソが見られることはご存じの方が多いと思います。

 

またサーキットブレイカー期間中、交通量が減って、人も少なくなり、街が静かになったので、カワウソたちが住宅街のあちこちに出没してコンドの池の魚や鯉を食べてしまう姿などが報告されています。

 

シンガポールに生息する野生カワウソは、コツメカワウソ と ビロードカワウソ の2種類で、大多数はビロードカワウソです。

 

1960年代頃までカワウソはマレーシア、シンガポールに多く住んでいたそうですが、1970年代に入ってからシンガポールからは姿を消してしまいました。それはシンガポール独立後、シンガポールの発展が急速に進み、シンガポール川沿いでの貿易、取引などが活発に行われる中、上下水道などのインフラ整備やゴミ処理などの整備はまだ整っておらず、シンガポール川の汚染状況がひどかったのです。

 

食べ物のゴミ、家庭ゴミ、産業ゴミ、トイレも垂れ流しと、あらゆる廃棄物が川に棄てられ、衛生状態も悪く、当時はあまりにも臭いので、目隠ししても匂いでシンガポール川の臭さだと分かると言われていたほど汚い状況でした。

 

リークアンユー氏により、シンガポールを世界的な貿易都市、金融都市にするべく、シンガポール川を徹底的に綺麗にし、整備するクリーン政策は1977年から10年の年月をかけて行われました。

 

その結果、水が見違えるように綺麗になり、1970年代~1990年代にはいなくなったカワウソが戻ってきたのが 1998年のこと。その後 2000年代に入ってから徐々に野生のカワウソが再びシンガポールに住み着くようになりました。

 

カワウソは水が綺麗な所にしか住まないため、水質が良いことを示す指標にもなっています。またカワウソは絶滅危惧種であり、シンガポールのような都市環境下で野生のカワウソが生息していることは、世界からも注目されているのです。

 

2020年4月の Yahoo ニュース記事も興味深いです(オリジナル記事はナショナルジオグラフィック)

 

私も先日、朝早く散歩に出かけたところ、自宅近くの川沿いでカワウソファミリーに遭遇。遠くへ泳いで行って見えなくなるまで夢中で見ていました。

これまでに至近距離でも見たことがありますが、立ち上がってのご挨拶姿は今回初めてでした^^ ところで、この動画よく見てください! 1匹だけ違うファミリーがいます!

 

ちょうど昨日、リー首相もカワウソとの共存について触れていらっしゃいました。

Took this picture of otters frolicking on a #jalanjalan at the Singapore Botanic Gardens in March. Our otters have been…

Lee Hsien Loongさんの投稿 2020年5月28日木曜日

 

 

野生動物は可愛いうちは良いのですが、農作物を食べたり、人間の生活に支障をきたし始めると害獣にもなり得るのが心配なところ。都市と動植物が上手に共存できる環境をつくることができるか、シンガポールだけの問題ではなく今後世界からも注目されてゆくでしょう。

 

都会のイメージが強いシンガポールですが、都市と自然が共存し、熱帯らしい動植物が見られることもこの国の大きな魅力。動植物にも優しい環境を保っていけるとよいですね。

 

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