Happy Pongal!
1月15日は、タミル暦の 10番目の月 Thai month (タイ月) が始まる一日。この日は、南インドの収穫を祝うポンガルフェスティバル。ヒンドゥー寺院でお祝いの儀式に参加して、ポンガル (ポンガルはお祭りの名前でもあり、食べ物の名前でもあります。このお祭りに作る繁栄を祝うお粥をポンガルと言います。) をお寺で作る過程を全て見ることができました。
お寺でポンガルを作るお祝いと儀式があると知って行ってみた Serangoon North の Sri Darma Muneeswaran Temple 何度か訪れたことがあるお寺でしたが、その日はいつも以上にわくわくしてお寺に向かいました。
お寺に着くと、本堂正面に描かれたポンガル向けのコーラム。お祝い事だけでなく、日常的にも描かれる吉祥模様。お米の粉を使って描かれます。こちらは米粉を水で溶いてペンキのようにして、前日に描いたのだとお寺の方が話していました。
左右のヤシの木に似たデザインはサトウキビです。
ポンガルのお祝いに準備する代表的な物がサトウキビ、ウコン(ターメリック)またはショウガ、マンゴの葉っぱ、ココナツなど。どれも繁栄と豊穣を象徴するものです。サトウキビは南国では、暑い気候のなかで天然の甘みを生み出す貴重な植物であり、縁起の良いもの。この日、お寺にはたくさんのサトウキビが飾られていました。
前の週にリトルインディアへ行った時も、ポンガルの準備で賑わっていて、背丈以上ある長~いサトウキビを売っていました。家庭では玄関の両側に門松のようにして装飾します。
ポンガルは太陽神スリヤを始め、母なる大地、自然、動物に祈ります。人間は自然界があってこそ生きていることの感謝です。中央に太陽が描かれています。
ポンガル(お粥) をポットで作るのに、ポットの首に葉っぱのついた新鮮なターメリック(またはショウガ) を結びつけます。
素焼きの窯に炭で火を起こし、火がついたらミルクを入れ、お米を入れ、しばらく蓋をしてぐつぐつ…。途中かきまぜたり、ミルクやお米を足したりしながら。
ぶわーっとふきこぼれるまで沸騰させるのですが、繁栄と豊穣の象徴でもあり縁起がよいのです。この時 Pongalo Pogal! ポンガロ、ポンガル!と掛け声をします。もっともっと沸き立ちますようにの意味。感覚的には日本人が新年にお餅つきで、よいしょーっ、もういっちょ! のように掛け声をかけるのと似ています。チャイニーズだとおめでたいシーンで Huat Ah と掛け声するのにも似ています。
インド系シンガポール人の友人が数年前にソーシャルメディアでシェアしていた、家庭のキッチンでポンガルを作って声掛けするのを見たことがあったのですが、お寺での声掛けは迫力があって、まさにおめでたい! といった空気感がよかったです。
出来上がり!
出来上がったポンガルは先に神様にお供えして、司祭の導きによってお祈りがあります。この日、こちらのお寺の神様たちはポンガルのお祝いで金ぴかにドレスアップされていて、眩しいぐらいにとても綺麗でした。信者の多くの方もゴージャスな神様の姿を写真に収めていました。
女神マリアマン。頭の上に草のようなものが装飾されていますが、ターメリックがたくさん。
ガネーシャ神もきらびやかでした。
ここに淡々と綴るとあっという間に見えますが、釜に火を起こしてからポンガルにありつけるまで 2時間以上かかりました。お祈りをしながらポンガルができていく一部始終をずっと見ることができて、ようやく食べられるときには、お腹がすいていたけど、もう胸いっぱいでした。
出来上がったポンガルに、準備されていたサンバルソースをかけてもらい、いただきます!
ヒンドゥー寺院で提供される食事は全てベジタリアンで、フォークやスプーンは使わず手食でいただきます。最高においしかった!
儀式の途中、前半の方で自然と涙が出てきちゃって…。嬉しさの涙なんだけど、感動的と言うよりは、もっとじわーっとくる嬉しさとか感謝の気持ちが溢れて。シンガポールで多様な文化を体験できること、これは本当に多民族国家ならではのことで、そこに私みたいな違う人種や宗教の人がいても、どこへ行っても必ず声をかけてくれる地元の方がいて、自然に受け入れてくれる。貴重でかけがえのない美しいことだと思います。
そして、今ここに生きていて、このお祝いを見れていることがただただ嬉しくて。涙出ちゃいました。素敵なポンガルのお祝いを過ごすことができました。
Darma Muneeswaran Temple