シンガポール国籍取得 ~ ステージ2 : 国籍取得のための必須プログラムについて

シンガポール国籍取得の記録を残していきます。

 

1つ前の記事でも触れた通り、シンガポール国籍取得のプロセスは 3つのステージに分かれています。

ステージ 1 : 書類審査 → この後に一次承認
ステージ 2 : シチズンシップジャーニー (シンガポール国籍となるための指定プログラム必須参加、Eラーニング)
ステージ 3 : 国籍取得のための具体的な事務手続き(日本国籍喪失手続き含む)

 

ここではステージ 2 のシチズンシップジャーニーでどんなことをするのかシェアします。

 

ステージ 2 : シチズンシップジャーニーは 3つのプログラムで構成されています。一次承認が出た直後からの 2ヶ月間で、その 3つのプログラムをこなすように設定されています。

 

1) コミュニティシェアリング
2) 指定機関の訪問
3) Eラーニング

 

1) コミュニティシェアリング

 

コミュニティシェアリングは、自分の住んでいる地域 (選挙区) ごとに行われ、同じ地区内でシンガポール国籍申請をして、一次承認の出た人ばかりが集まって交流を持つためのセッション。指定された日程がいくつかある中から、オンラインで予約して参加します。 私が参加した回は 100人ぐらいの方が集まっていました。

 

10人ずつぐらいの小グループに分かれ、各グループにはグループをまとめるファシリテーターがいます。ファシリテーターのリードで、アイスブレイク、自己紹介、それぞれシンガポール国籍を取る決意に至った経緯をシェアしたり、シンガポールを理解する目的のクイズ、ゲームをグループでチームになって取り組んだりしました。

 

他にも、これから国民となるための心構え、国民として、社会の一員として、何が求められ、どうあるべきか? どう役割を果たして行ったら良いのか? といった国民教育を目的とした動画を見たりします。

 

このコミュニティシェアリングで求められていることは、シンガポールが国家のあり方として大切にしている「Integration 統合、融合」と「Harony 調和」を促進して達成しようとするもの。言葉、文化、宗教、それぞれの人が持つ背景は違っても、同じシンガポール国民として互いを尊重し合って共に暮らす/生きること、これから新国民となる方たちと一緒にその確認作業をする交流会。これは言葉で言うだけ、文章にするだけなら簡単ですが、日常の中で実践することはとても難しいこと。

 

シンガポールにある多様を認める社会、ここで生活していると、それが当たり前にあることのように勘違いしてしまいますが、そうではありません。この多様な社会は、それぞれが持っている背景があまりに違い過ぎるから、何かしらの分断や意見の食い違いなど、ちょっとしたことを発端にして壊れやすく、実はガラスのようにとても、もろいもの。多くの人の努力によって出来上がっている社会であり、人それぞれが、形としては見えない多様を大切に扱うマインドを心に持つことが必要なのです。

  

社会の高度化、複雑化が加速して、他人との繋がりが希薄になることは社会が弱くなることであり、何かあった時に困難をどうやって乗り越えるかは、人と人との繋がり、一致団結力が最も重要。そのことを、シンガポールはコロナ禍で再確認し SG United が社会をつくるための重要なエッセンスであると改めて認識しました。2時間のコミュニティシェアリングセッションで、初めてそこで出会った人どうしが何か大きなものを達成するのは到底無理なことであり、できることはごく限られていますが、それでも、このような時間と場所を作り、人と人の交流を図ろうとしている、そのことが素晴らしく、私はこの交流会からたくさんの学びを持ち帰りました。

 

このシェアリングセッションを運営しているのは、その地区のボランティアメンバーの方々。ほとんどの方がお仕事されている方で、家族と過ごしたり、休んだり、自分の好きなことをしたい時間を削ってこのセッションのために貴重な時間を使って運営に携わっていること。こういった方々の運営によりこの交流会が持たれていることに感心しましたし、感謝の気持ちでいっぱいになりました。私が住む地区ではありませんが、このボランティア活動をしているシンガポール人の友人がいるので、コミュニティシェアリングセッションに参加した後、彼にシェアリングセッションでの体験が素晴らしかったことを伝え、新国民へのこの活動が引き続き有意義なものであるよう、ありがとうを伝えました。

 

2) 指定機関の訪問

 

半日で 2ヶ所を訪れるツアーとなっている社会見学です。シンガポールの歴史、都市計画、水資源の重要性など、シンガポールが歴史的にどのように課題を克服してきたかを知り、その重要性を理解するものです。訪れる場所は、国立シンガポール博物館、New Water 水再生処理工場、URA ギャラリーなど複数あり、私は New Water Visitor Centre とインディアンヘリテイジセンターの 2ヶ所を訪れるプログラムでした。

 

訪問先はガイド資格取得コースの研修でも行ったことのある所ばかりでしたが、この社会見学も有意義な体験で、新たな学びが多々ありました。映画や本などもそうですが、同じ場所、物、事でも、その時々に置かれた違う状況で改めて体験すると、毎回違う発見、気づき、学びがありますよね。

 

3) E ラーニング

 
コミュニティシェアリング、指定機関訪問、E ラーニング。3つの要素の中で、かなりボリュームがあると感じたのがこの E ラーニング。8章で構成されており、各章には 短いものは 1分程のものから、主要な内容は 3~5分程度の動画が 10本近くあります。1章終えるのに最低でも 30分ぐらいはかかるので、落ち着いて取り組めるまとまった時間が必要でした。全ての内容を見た後、各章の最後がクイズになっていて、クイズをクリアしないと次の章に進めない仕組みになっています。各章の内容は、シンガポールの歴史から、国家政策、社会での取り組み、国歌、国民の誓いの説明などあらゆる分野を網羅してシンガポールを理解する内容。学校の社会の授業のようでもあり、どれも重要な内容ばかりでした。

 

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と、最小限にまとめるだけでも長めの文章になった通り、ステージ 2 での必須 3要素はかなりのボリューム。すべてオンラインで管理され、Singpass でログインして各個人用に設定された自分のページへアクセスして進めます。進捗状況も分かりやすく、システムからリマインダーメールも届いたりと、スマートに設計されたプログラムと感じました。

 

ステージ 2 を終えると、いよいよステージ 3 でシンガポール国籍登録のための具体的な事務手続きに入ります。

 


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