再び軍のトレーニングへ行っていました。トレーニングは合計13日間、3段階に分かれていて、フェーズ 1、2を終えました。 1週間空けて来週、最後のフェーズ 3を残すのみ。トレーニングの 6割を終え、折り返しを通過。ようやく終わりが見えてきました。
今回のトレーニング、予想していた以上に難しいことに直面、それも初めて経験することばかり。なぜかと言えば、後輩を育てるためのトレーニングだから。先生、教育実習生、生徒の関係を思い浮かべて頂ければ分かりやすいかと。これまでのトレーニングは、私はずっと生徒の立場でした。先生に言われたことをはい、はい、と聞いてその通りにトレーニングをやっていれば良かった。今回私は教育実習生に近い立場。まだ先生になるには早いけれど、まずは現場での実習から。今までと立場は正反対になり、自分で現場を作っていかないといけないのに分からないことが多すぎる。
あまりの出来なさぶりに、自分自身にがっかりして、自分への悔しさでいっぱいになりました。
それに拍車をかけるように、致命的な大失敗をしてしまいます。模擬射撃で絶対にやってはいけないミスをしてしまいました。射撃訓練は何度も何度もできるようなものではなく貴重な機会で、私はこれまでの 7年で、今回 3回目でした。実習プログラムとは別で、実習生の私たちにも射撃の機会を特別に与えてもらったのです。(★ 本来、実習生と呼ばず別の呼び方がありますが、分かりやすくするために、ここでは実習生とします。)
実弾射撃訓練を受ける隊員は、その前に必ず銃のハンドリングテストと模擬射撃をしなければいけません。ちょっとしたハンドリングミスが生死に関わるので、とにかくとにかく口を酸っぱくして、いや酸っぱいどころか、声を荒げて注意されたり、叱られることの方が多く、ひとたび銃を手にしたら、教官の指示に従います。勝手な行為や、指示なしに銃を動かしたりすることは絶対にできません。
詳細は控えますが、実弾射撃の前日にあった模擬射撃で致命的なミスをしてしまいました。もちろん意図的ではなく、アクシデントでしたが、紛れもなく私がしたミス。これまで 7年で 2回やった射撃でも、新人の時にもやったことがなかったミス。どうしてこんなミスをしてしまったのかと自分へのショックと情けなさが大きくて、その場で中断して辞めようかと思いました。
その場はなんとか凌ぎましたが、模擬射撃場から出てきた後は、自分への悔しさで涙が止まらず。励ましてくれたのは一緒に実習をしている仲間。彼女は私と入隊同期生で、新人の時に一緒に訓練し、それから 7年3ヶ月経った今、初めての実習トレーニングも偶然同じタイミングになったのです。2つしか個室がない小さなトイレの洗面の前で、涙が止まらない私に彼女が肩を借してくれました。
その日、私は最強の敵に出逢いました。そう、それは私自身の心の中にいる敵。軍事訓練に限ったことでなく、仕事でも私生活でも、趣味でもスポーツでも、何か新しい行動を起こしたいと思ったり、さらに高みを目指したいと思ったとき、いつもと同じことをやっていては先に進めないこと。コンフォートゾーンを飛び出してチャレンジし続けないと得られないもの。その時乗り越えるのは、私自身の心の中にあるハードル。致命的失敗で当初は心が刺されるような痛さでしたが、その失敗が自分自身を更に強くし、より良い私へ導くための過程であることに改めて気付かされ、徐々にギフトとして受け取れたのは大きな収穫でした。
翌日の実弾射撃は、気持ちを建て直し、失敗を学びに変えることができました。
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射撃の様子は mothership による youtube 動画が分かりやすかったのでシェア。軍の公式チャンネルで出している動画よりもこちらの方が親しみやすく、分かりやすい内容になっています。(射撃場はスマフォ、通信機能のある時計も持ち込み禁止なので mothership 撮影許可されたのはすごい!)
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