シンガポールと日本の戦史について知るおすすめの書籍

戦争の歴史を振り返る 2月。シンガポールと日本の戦史について知る、分かりやすい本をご紹介します。

 

残念なことに日本人の多くは、シンガポールを始めアジア各国で戦争中に何があったのか、日本軍が現地でどんなことをしたのかを知らないことです。

 

全てを知ることは不可能です。私もまだまだ知らない事がたくさんあります。よく歴史は苦手で、とっつきにくくて… などとおっしゃる方がいらっしゃいます。歴史はいろいろな数字が出てきて、何年何月何日、兵力が何万人で、犠牲者は何人で、人の名前だったり、場所の名前だったり。学校の勉強なら覚えることも必要ですが、そういった細かいこと全部覚える必要など全くないです。誰でも好きなこと、苦手なことがあるので、好きで興味があって知りたい人は細かく知ればいいと思います。

 

かと言って知らないのもどうかと思います。シンガポールにご縁があってシンガポールに住む日本人であれば、数年シンガポールに住んで、シンガポールと日本の間に何が起きたのかを知らないのであれば、それは真にシンガポールを理解したことにはならないでしょう。どれぐらい知るかその深さには人それぞれ違いがあります。いろいろな事を知っていることが凄いことではなく、知ろうとする姿勢、そこから学ぶ気持ちが大切です。

 

旅行ガイドにないアジアを歩く シンガポール

 

この本に出逢ったのは割と最近で 2019年のこと。博物館日本語ガイドをしていて今は日本に帰国した友人が、この本の共著者である渡辺洋介先生を紹介してくれたことでした。

 

 

この本の表紙にも以下のようにあります

『シンガポールは多民族国家、熱帯の工業都市、国際都市だ。ところで、日本が占領した 3年半の間に、日本がこの国にしたことを、知っていますか。見て聞いて歩いて、アジアの隣人との関係を考えてみよう。』

 

シンガポールの基礎知識、文化的側面の記載もありますが、全体的に戦跡、戦史に関する内容が 9割ぐらい。全ページカラーで写真や図などが多いのも親しみやすく読みやすいです。本というよりは戦史ガイドブックに近い感じなので、歴史が苦手な方におすすめ。

 

渡辺先生は歴史研究家で、日本の大学で研究員をされています。また NUS シンガポール国立大学に留学されていました。歴史研究家と聞くとなんだか堅苦しい感じがする方もいるかもしれませんが、物腰柔らかく穏やかな方。穏やかながら史実を伝えたい静かな情熱、感情をはさまず偏りのない歴史の捉え方などについてお聞きしたのはとても印象的でした。毎年8月に開催されるマレーシア、シンガポール 2ヶ国に渡って戦跡を訪ねるマレー半島スタディツアーに参加される他、シンガポールには度々いらっしゃるとのことで、知り合った 2019年、2020年コロナがひどくなる前、とお会いする機会がありました。

 

旅行ガイドにないアジアを歩く シンガポール
梨の木舎 初版 2016年

 

シンガポール戦跡ガイド

 

先の本に出会うまで使っていたのがこちら。こちらはタイトルの通り全てが戦跡に関するもの。全ページ白黒ですが、写真が多く、2014年初版のため 最新情報を知るには古くなった感がありますが、変化の速いシンガポールで 2014年時点での記録を知るという面で良いです。先の本よりも堅苦しい感はありますが、戦史にご興味ある方にはおすすめ。この先入手困難な本になりそうな気もしますので情報は多少古くなっても保存版です。

 

 

シンガポール戦跡ガイド
社会批評社 初版2014年

* 出版社名が過激ですが(笑) 戦史に関する記述は感情などが入るものではなくいたって普通です。

 

シンガポール小学校の教科書

 

シンガポール小学校 4年生 社会の教科書。小学校4年生から社会科の授業が始まります。4A と 4B  (上下巻みたいな感じですね) の 2冊があり、A はシンガポールの成り立ちから始まります。 4B の始まりから戦時下の歴史、日本による占領の歴史についての記載が始まります。4A に戦時下の歴史はありませんが、シンガポールの歴史の基礎が書かれていること、この教科書本当に安くて $3 ぐらいなので両方買うのをおすすめ。シンガポールの本屋さん POPULAR で誰でも買うことができ POPULAR であればどこの店舗にも置いています。

 

 

シンガポールの戦いに関する内容

占領下での華人虐殺についての内容

 

戦争の歴史は、戦跡を訪れて実際に見るのがいちばん良いです。お子さんが小さくてなかなか行けない、どこに行ったら良いのか分からない、いろいろあると思いますが、それならまずは国立博物館から。無料日本語ガイドもあり、コロナで長いこと中止していましたが現在は再開しているそうです。

 

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イラスト提供 Instagram @singapolah

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