画一的な HDB 住宅の中に見られる多様性 ~ 2階建て物件メゾネット

HDB には様々なユニットタイプがあり、ユニットのデザインは時代背景が反映されているのも面白いです。古いユニットは広々デザイン、近年は核家族化を反映して全体的にコンパクト化されているユニットが多いです。

 

1995年を最後に建設されなくなった「Maisonette メゾネット」と呼ばれる HDB ユニットは、ユニット内で 2階建てになっている物件です。メゾネット物件はシンガポール全土に点在しているものの、特定の地域に集中しています。その 1つが Hougang エリア。我が家の近くでは至る所にメゾネットのある HDBブロックが多く見られます。

 

このブロックはメゾネットのあるブロック。外観から2階建て構造になっているのが分かります。

 

写真の正面が円型部分で、円型が強調されるアングルになっているので分かりにくいですが、円型ユニットとその両側にメゾネットが合体しているブロックだと分かります。

 

メゾネット部分をよく見てみると 1ユニットが2階建てになっています。

 

ブロック内に上がってみると、2階建てなので外の共用通路も天井が高く、吹き抜けのようになっています。2階建てなのでユニットは隔階にあって、ブロックによって偶数階だったり奇数階だったりします。また通常ユニットとメゾネットの合体ブロックだと、メゾネットだけの階と、通常ユニットが各階に混在していて、とても複雑なつくり。

 

HDB は外観は画一的に見えますが、どこのご家庭も想い想いの内装にしているため、中に入ると個性的でお隣さんとは思えないぐらい違ったユニットが多いです。私はシンガポールでの独身時代、シェアメイトを探して 1つのユニットをシェアして住んでいましたが、部屋探しはほんとうに大変であちこち見に行きました。HDB のメゾネット物件を初めて見たときユニット内に階段があること、とても広くて、綺麗だったことにびっくりしたのを今でもよく覚えています。残念ながらメゾネットに住む機会はありませんでしたが。

 

最近は、不動産エージェントによる youtube を使った物件紹介も多くなっているので、あえて載せませんがご興味ある方は youtube をサーチしてみると様子を見ることができます。メゾネットは 2階建てで床面積が広いのが特徴と、シャワールームが3つあること。

 

床面積が広く、もう建設されていない希少物件なことから一部の方には人気がありますが、実際に家族で住むことを考えると、上がったり下りたり面倒な気もしますし、掃除の手間、若いうちはいいと思いますが、階段は高齢者には向かないので歳をとることを考えると実用的でない面も大きいです。年齢にもよりますね。

 

世界的に寿命が長くなり、シンガポールも医療技術の進歩、医療環境の整備によって、日本と並ぶ世界上位の長寿国になりました。これからは、バリアフリー物件が増えていくのでしょうか。また数年前にコンドのデザインで一時期流行ったのがデュアルキー物件。ドアと鍵が 2つあり、1つは家族向け、もう 1つはスタジオユニットで、二世帯住宅の変形。家族+高齢になった両親が隣同士で住んだりすることができます。

 

シンガポールは小さな国なので、高層住宅が多く、人口密度も高いですが、その分建物の中に詰まった空間は効率的で、開いてみるとそこに違う世界が拡がっているかのよう。外から見ると整然と立ち並ぶ高層住宅群は画一的に見えますが、その中身はシンガポールの多様の象徴のようでもあり面白いものです。

 

バナーをクリックで応援お願いします!

にほんブログ村 海外生活ブログ シンガポール情報へ
にほんブログ村
イラスト提供 Instagram @singapolah

右上角の赤いメニューから、読者登録ページで Email アドレスを入れて頂くと、ワードプレスのシステムより記事が更新された時に、お知らせが届きます。アメブロの読者登録機能と同じです。どうぞご利用ください。