清明節 ~ 故人の魂を喜ばせ、生きる人が癒される、紙のお供え物

4月5日 今日は旧暦で清明、清明節。Qing Ming チンミン。

 

日本の文化で言うと春のお彼岸に近く、中国の文化でご先祖様を想い、お墓参りをする時期になります。

 

チンミンの日は今日 1日だけですが、忙しい現代人は暦に沿って今日お墓参りするのは難しいため、シンガポールではチンミンの前後 10日ぐらい (今年は 3月26日~4月15日) がチンミン期間になります。4月15日からイースター 3連休なので、実質 4月17日までといったところでしょうか。前後の日にちに明確な決まりはなく、お墓参りはチンミン前に早めにすませるご家庭が多いです。

  

3月下旬頃から金紙店 (佛具を売るお店) は清明向けのお供え品がいつも以上に大量に並べられ、我が家の近所 Hougang のマーケットにある金紙店は平日も週末も、お供え品を買うお客さんで混みあっているのを何度も見かけました。

  

この時期、家族、親族が集まってお墓参りをします。お墓参りに持って行く供養の品は、お花、お線香、食べ物の他にシンガポール独特のお供え品があります。

  

それは紙でできたお供え品。故人が好きだった物、よく食べていた物、生きている時に叶えられなかった物など、あの世でも楽しめるように、紙でできたお供えを用意することで故人の魂が喜び、供養になると考えられています。紙でできたお供え物は、お祈りをした後に燃やします。

 

食べ物

 

食器

 

タバコ

 

化粧品

 

スマフォ、必需品ですね!

 

車や家もあります。

 

お金、お札 (おふだ)。あの世に行けるおふだ、三途の川を渡る銭、あの世の現金…などお金もいろいろな種類があります。

 

全~部紙でできています。お祈りした後はあの世へ届くように燃やすので、短時間で消えてしまいます。でもいいんです。今生きている人たちの気持ちが炎となって、煙となって、あちらへいる人に届くのであれば。

 

愛する人、大切な人を亡くした方にとって、もしも叶うことならもう一度話したい、もう一度逢いたいと想うのが普通ですよね。もしもそんな気持ちがあちらの人へ届くとしたら、あの人の大好きだった物が届いて、あちらで喜んでいる姿を想像することができるなら、それが一瞬でも、今生きている人の心の癒しになるのだと思います。

 

人は皆いつか死ぬのですから、それがどんなに辛かったり、悲しい別れであったとしても、生きる人は悲しみを乗り越えて歩みを続けるしかありません。故人のために燃やすお供え品も、じつは生きている人が、別れや悲しみを受け止めて前に進んでいくための物でもあるのかもしれません。

 

シンガポールでこのような物を作ることができる職人さんはもう数えるほどしか残っていませんが、作る方がいらしてこんな物を作ってほしいなど特別なリクエストもあるそうです。大多数は台湾、マレーシアからの輸入品です。HDB 下などにある金紙店、興味深いので見つけたらのぞいて見て下さい。

 


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