旧正月の縁起物 ~ 食べ物に由来するお飾りの意味

今日も旧正月に使う縁起物について。いろいろなお飾りがありますが、食べ物に由来するものについて取り上げてみます。

 

きんかん、みかん

 

シンガポールの旧正月と言えばみかん。きんかん (または、みかん) の実がたくさんなっている木を建物の入口両側に飾ります。日本の門松と同じ存在ですね。

 

きんかん(金柑) は中国語では金桔。金はまさにお金。と発音が似ていることで吉が舞い込む縁起物。きんかんの実はお金の象徴で、商売繁盛、金運アップの意味があります。

 

 

シンガポールで旧正月中にお宅を訪問する時は、みかんを2つ持って行きます。みかんは中国語で桔子、きんかんと同じくの発音がと似ているから。みかんを手渡す時は 「恭喜發財」「大吉大利」と言って交換します。みかんを相手に渡すことで福を手渡す意味があり、もらった人は同じようにみかんを 2つ手渡し、あなたにも福をどうぞと福のお返しをします。みかんは家に持ち帰ったら食べて OK 、オフィスだとデスクの上に置いておいたりします。みかんは旧正月期間中ある程度用意しておいて、次に違う人に会う時は、また新しく 2個持って行っても良いですし、もらったみかんを手渡しても大丈夫です。こうしてお互いに福の交換をし合います。

 

きんかんの木を門松のように飾る習慣は中国、香港などでもありますが、みかんを 2つ手渡す習慣はシンガポール、マレーシアでの独特の習慣。同じ旧正月でも中国からシンガポールに来られた方はみかんを手渡す習慣に驚く方が多いです。

 

パイナップル

 

パイナップルは中国語で黄梨 ファンリ huáng lí ですが、福建語では オンライ ong lai と発音します。オンライは中国語の漢字にすると「旺来」。旺来とは幸運がやって来る意味のためパイナップルは縁起物として好まれます。パイナップルの黄色い実はお金の象徴でもあり、商売繁盛、金運アップ、幸運の意味があります。生のパイナップルを飾ることもありますし、パイナップルのお飾りはありこちで見かけますね。

 

チャイナタウンの 2018年旧正月デコレーションはパイナップルでした!

 

りんご

 

りんごは中国語で苹果 píng guǒ と同じ発音なことから、平和、平安を願う意味があります。我が家の玄関は、今年はコロナ禍での平安を願ってりんごのお飾りにしました。

 

チャイナタウンのお飾りを売るお店にて。右下の3つ 小さめサイズのお飾りはりんご。

 

にんにく

 

にんにくも金運アップの意味があります。にんにくは日本語の漢字と同じ、と書いて中国語では suàn と発音。 suàn と同じ発音で、数える意味があり、お金をたくさん数えられるようにお金がたくさん舞い込む縁起物です。

 

 

こちら我が家のご近所さんの玄関、去年。

玄関のグリルゲートに赤い袋に入れたネギのような物がついています。これはネギではなくて葉にんにく。にんにくの実もお飾りになりますし、葉っぱの方を供えているご家庭や商店、多くはないですがたまに見かけます。葉にんにくを赤いリボンで巻いて玄関に吊るしてあったりします。家やお店の入口にお供えして金運を呼び込みます。

 

唐辛子

 

赤唐辛子はそのものが赤いことからおめでたい象徴で、実が一度にたくさんなることから、物事を成し得る、願いがたくさん実るといった意味があります。みかん、りんごなどもそうですが、実がなる植物の多くは中華文化では吉祥の象徴であることが多いです。ざくろ、いちじくなどもたくさん実がつくことから、子孫繁栄、子宝の象徴。

 

 

他にもポメロ、かぼちゃ、ひょうたん、まだまだたくさんありますが、代表的な物をご紹介しました。意味を知ると、想いに合わせて買って飾ってみようかなという気にもなったり、お祝い事もより楽しめるようになると思います。

 

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イラスト提供 Instagram @singapolah

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