ヴェサックデーはお釈迦様の誕生、悟りを開いた日、亡くなった日を祝う、仏教徒にとって大切な日。旧暦4月の満月の日がその日にあたります。
多民族国家のシンガポールでは、民族、宗教もさまざまですが、いちばん多い宗教は仏教です。
33% 仏教
19% キリスト教
14% イスラム教
10% 道教
5% ヒンズー教
0.35% シク教
0.24% ユダヤ教、ジャイナ教、ゾロアスター教などその他
18.5% 無宗教
ヴェサックデーには多くの人がお寺詣りをし、ブギスの観音堂、チャイナタウンの佛牙寺など有名なお寺はどこも混み合います。
敬虔な信者が訪れることで有名なビシャンに近い光明山普覚禅寺では、毎年 ヴェサックデイに三歩一拝という、三歩歩いたら地面に伏すように祈りを捧げる大規模な儀式がありますが、今年はそれも中止になりました。
またお釈迦様の誕生をお祝いする日ですので、お寺では生まれたばかりの姿をしたお釈迦様にお水をかけてお詣りします。これは生まれたばかりの赤ちゃんに沐浴をするのと同じ意味があります。
写真は昨年のヴェサックデーのお詣りの時
命が誕生したことに感謝し、今日はお肉など動物由来の食べ物を避け、菜食、ベジタリアンの日として過ごします。
我が家は夫の実家が道教が入り混じった仏教。(シンガポールの華人家庭では一般的なスタイル)
お父さん、お母さん、上の姉3人は敬虔な仏教徒で、毎月旧暦の新月と満月の日には菜食をとる習慣があります。5人姉兄のいちばん下で、いちばん緩~く育った夫、結婚したのが日本人で私にそういった習慣がないこともあり、朝ごはんに私が目玉焼きをつくって、(夫)うわー、やっべー卵食べちゃったよ、今日ヴェサックデイだった!! なんてことも過去にはありました。
4月7日にサーキットブレイカーが始まって以来、キリスト教のグッドフライデー、イスラム教のラマダンが始まり、今日のヴェサックデーと続きました。宗教施設が閉鎖され、礼拝に行くことができず、家族と会って共にお祝いもできない今までにない年。しかしどの宗教にも共通しているのは、宗教施設には行けなくても信じる力があれば神様はいつもそばにいること。信仰を持つ人にとって、祈りとは特別なことではなく、日常のことなのです。