昨日シンガポール国籍を取得する決意を表わしたところ、たくさん応援の言葉をいただきました。励みになり、力となります。ありがとうございます。
一方で、知っている方、知らない方も含めどどっと4件ほど永住権についての問い合わせを受取りました。シンガポール滞在が長くなってくると PR取得を検討される方が多いと思います。
以前アメブロの時にも何度か記事にしたことがあり、見てみたところ 2016年、2018年と2度記事を書いていたので、2年ぶりに最近の状況について感じることを書いてみます。
■ 少し古いですが 2019年9月末の CNAニュース記事 こちら参考になります。
この記事の中にある PR取得数グラフを見ると分かりますが、2010年以降横ばいで大きな変化はなく、取得状況は厳しい、厳しいというものの、2016~2018年の過去3年は3万人台に微増しています。
2011年の取得数が PR、SC (Singapore Citizenship) 共に少し減っているのは、2011年総選挙による影響で、外国人移住者を一気に増やし過ぎたことで、国民から政府への批判が高まったことによります。
今年コロナの状況が落ち着けば、総選挙が実施される予定ですが、私は選挙による政策変更の影響はないと思います。若干の増減はあるかもしれませんが、これまで通り横ばい。大幅に減らすことも、大幅に増やすこともないでしょう。コロナの状況がどうなるかも誰にも分からないので、状況が安定するまで大きな動きは取れないと見るのが普通だと思います。
■ 経済的貢献について
これまでPR取得は経済的貢献が重視されていました。どういう職業、業界の仕事に就いているか、勤務年数、年収、税金を納めているか、など。もちろん重要ですが、PRを申請する人は一般的にお仕事されている人ばかりです。収入の差はあっても、それぞれに経済的貢献は皆しています。今後、日本同様に高齢化が加速すること、今年のコロナのこともあり、これまでにも政府が力を入れてきた、バイオメディカル分野、医療分野の研究、開発、医療機器業界に従事されている方、他に IT、デジタル技術関連など特定の業界で有利になることはありますが、それだけで有利になることは考えられず、逆に専門職ではなく一般的なお仕事をされている方でもそれが不利になることはありません。
■ 年齢について
若い方がいいと言われていて、もう若くないから…とおっしゃる方が多いのですが、年齢はあくまでも目安であり、全てケースによります。取得できる方は年齢関係ありません。
■ 家族申請について
シンガポールは少子化により、今まではお子さんがいるご家庭での家族申請が有利と言われていましたが、これについても目安に過ぎません。お子さんいる、いない 全てケースによります。
■ 社会的貢献について
経済的発展はこれからもし続けますが、政策として経済発展もしつつ、今まで以上により注力しているのがシンガポール国民に対する生活の向上。国民重視の政策、傾向が強くなっています。
“Ask not what your country can do for you, but what can you do for your country ?”
PRを取得して得られるベネフィットを考えるよりも、あなたは国にとってどんなことで貢献できるのか? この問いに自分なりの答えを持つことは大きな鍵となります。
■ 寄付について
社会貢献と関連して、PR取得に関していちばん多く受ける質問が、寄付について。寄付をした方がいいと聞きましたがした方がいいのですか? 寄付の実績があると取得しやすいのですか? という質問、関係ないです。寄付をしたからといってベネフィットはありませんし、寄付をアピールすること自体が本質からずれています。
シンガポールは公共サービス(政府関連機関)において Clean and Corruption free が重視されています。これはあらゆる事に当てはめて考えることができます。寄付をした方がいいなら 仮に年間1万ドルの寄付をしている人と、1000ドルの寄付をしている人がいて、1万ドルの寄付をしている人の方が有利なことなどあり得ません。金額の大小も関係ないです。取得できる人は寄付しなくてもPR取得できます。取得できない人は寄付しても取れません。寄付よりも具体的にどんな社会貢献ができるか考えた方が良いです。
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私が所属する軍ボランティア部隊の隊員は、シンガポール人女性を除いて全員がPR保持者または国籍取得者です。現在約1000人近い隊員がいます。中国人、インド人の方が多く、日本人とは人口の母数が違うことを考えても彼らのコミットメント力には私も圧倒され、彼らの方がアピール度が高いのは誰が見ても分かります。特殊な集団ではありますが、シンガポールに住む外国人PR保持者の縮図と言えます。
軍の活動で様々な政府系の方と話をする機会や、地区で行われている政府系イベントで代表者がスピーチで話されていることなど、共通して話していることは、シンガポールにとって役立つ人材であれば国籍は関係ないこと。人種や国籍に関わらず平等にチャンスがあります。
以上、私の個人的主観ですが、先の取得数グラフからも分かるように取得数は少しずつ増えていること。(今年コロナの影響がどれぐらい出るかは分かりません)シンガポールには外国人が必要なこと、これはこれからも変わらないです。少数ですが、2010年以降で1度で取得できた方(1人で申請)やご家族で取得された方も知っています。シンガポールでの生活基盤を築いて整えながら、焦らずじっくりと取り組むのが良いと思います。