LKY 100
1923-2023
今年リークアンユー氏生誕 100周年記念で、年間を通じて様々な記念イベントや展示などが行われてきました。博物館や期間限定の展示物が多い中で、LKY100 を記念して 唯一、形として残る物が LKY100 Coin リークアンユー生誕 100周年記念硬貨の発行。
国民と PR保持者向けに先行販売され 9月から順次受け取りが始まり、SMS で受け取り期間の連絡が届き、私も 10月下旬に自宅近くの銀行で受け取りました。
シンガポールの $1 コインより 2割以上大きなサイズ。ピカピカの金色が綺麗ですが金融局のサイトを見ると、素材はアルミ青銅とあります。
シンガポール国章の下、西暦が刻まれている数字。片方に傾けるとリー氏生誕の 1923、もう片方に傾けると 2023 の数字が見えるようになっている仕掛けが素敵です。
400万枚製造し、先行販売で 330万枚の申し込みがあったとのこと。1人の名前 (IC番号) で 5枚まで申し込めたので、我が家に 5枚あれば充分かなと思い、私の名前で 1人分しか申し込まなかったのですが、実物を受け取って思っていた以上に綺麗なコインだったことと、一般販売分が 70万枚しかないプレミアム! と知り、夫の名前でも申し込めば良かったとちょっと後悔。
先行予約分の配布を 12月3日までやっていて、受け取りに来なかった枚数を含め、残りを 12月4日以降、一般販売する予定になっています。残りは 約 70万枚。全ての販売が終わった後は、コレクションショップやカルーセルなどで値上がりして販売されると思います。
一般販売については、12月初旬頃にニュース、ソーシャルメディアなどで予約、販売方法について流れるはずですので、ご興味ある方はチェックして記念硬貨入手してくださいね。
■ MAS : Monetary Authority of Singapore シンガポール金融局による LKY 100 Coins に関する詳細オフィシャルページはこちら
リークアンユー氏は生前から、彼の肖像をお札にしたり、彼の記念碑や像を建てたりして形として残すことを嫌っていました。リークアンユー氏が最も望んでいたのは、多民族主義、平等で実力主義、誠実さ、法による支配。彼は、これらの理想が彼自身を超越して、シンガポールで永遠に続くことを願っていました。だからシンガポールの人々が、この理想を守り続けることが、何よりものリークアンユー氏への敬意を表わす形である。とは、リークアンユー氏が亡くなられた後に、リー首相が語った内容です。
リークアンユー氏の偉大さは今でもシンガポールの人々の心の中で生きていて、このことを支持する国民も多く、今回のリークアンユー記念硬貨発行は、リー氏の意思に反するから買わないという方も中にはいます。私はそこまでのこだわりよりも欲しい!が先行しましたし、初回予約で 330万枚の申し込みがあったということを考えると「形」「物」となっている記念物が欲しいのは、人間の純粋な物欲、欲求かと。
リークアンユー氏は肖像など形とすることを嫌ったことと同じく、組織や賞、道路や建物の名前などに彼の名前を使うことにも非常に慎重でした。2015年にリー氏が亡くなられた直後、彼の偉大さを称え、敬意を表すために、チャンギ空港をリークアンユー空港にしてはどうかといった提案も上がり、シンガポール政府は、リー氏を称えるための様々な提案が持ち上がりましたが、亡くなられた直後の時点では、時期尚早であるとの見解を出しています。(提案としては悪くなく、将来的に時期が来れば検討することも可能だ、とは言っていませんがそうとも受け取れるコメント。)
シンガポールに詳しい方であれば、リークアンユースクールがあるではないか! とすぐに閃く方もいると思います。Lee Kuan Yew School of Public Policy リークアンユー公共政策学院は、2004年設立、リー氏が 80歳の時でした。彼の名前を使って美化するのではなく、名前をつけることで、より大きな目的が達成されることにのみリー氏は承諾し、Lee Kuan Yew School of Public Policy 以外にも、片手で数えられるほどの少なさではあるものの、賞、基金などリークアンユー氏の名前を冠したものがあります。
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リークアンユー氏のこのような神がかり的な意思を、何世代にも渡って伝え続けたり、現実社会で実践し続けるのはもちろん大切なことだと思う反面、時代は常に変わります。今はまだリー氏を偉大に思う世代がいても、我が家ひとつをとって見てみても、夫と私と娘では受け止め方も全く違うし、もっともっと長い時が流れれれば、考え方、やり方が変わって当然。その時々に応じて最善の選択ができればよいわけで、このリークアンユー生誕 100周年コインが形となって存在することで、それを手にしたり、見たりするたびに、シンガポールの人々が何が大切なのかを思い出したり、考えたりする機会になったらリークアンユー氏も嬉しいのではと思います。
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