旧暦を暮らす ~ ジャスミンが香る新月と満月の日に、祈りと花と

今日は旧暦 12月15日。旧暦で丑 (牛) 年最後の満月になります。ここからまた月が少しずつ欠けて次の新月が春節、旧正月。

 

毎月旧暦の 1日と15日、華人の方で道教、仏教の方はいつもよりも信仰心が増す日。信仰が厚く毎日お祈りをする方でも 1日と15日には、いつもより長いお経を読んだり、その日はお寺にお詣りをするとか、神様にいつもよりも多くお供えをしたり。これをしないといけない、といった決まりはありませんが、お祈りをするなどして小さな徳を積みます。

 

今朝は娘を学校に送り届けた足でそのまま自宅近くのマーケットへ向かい、八百屋さんと果物屋さんで買い物。そして旧暦 15日なので我が家の神様にお花を買いました。

 

我が家の神様はコンパクトサイズで小さめ、神棚のようなスペースも小さめなので、切り花ではなく佛具のお皿にお花を供えます。マーケットのお花屋さんで、切り花を花束にした時や、輸送途中にとれてバラになったお花の部分だけを集めて小さなパックにしたものがあります。他にはジャスミンのお花がパックになったもの。

 

このようなビニール袋にパックされたお花が $1前後

 

今日はジャスミンをお供えすることにしました。

 

仏教と結びつきが深く、お供えに特に好まれるお花は、蓮、菊、ジャスミンなど。お釈迦様と言えば「蓮」の印象が強いかもしれませんが、ジャスミンはその美しさと甘い香りから広く親しまれ、アジア圏では仏教だけでなく結婚、宗教行事、宗教儀式、お祭りなどに多く使われます。

 

ダンマパダという仏教経典で、お釈迦様の教えを書いた言葉には「花」に関する章があり、その中でジャスミンの花についてお釈迦様はこう言っています。

 

「花の香りは風に逆らうことができない。白檀の香りも、シャクナゲの香りも、ジャスミンの香りも。善良な人の評判だけが風に逆らうことができるのである。」

 

善良な人の評判は風に乗って広がり、風に逆らってまでも遠くまで伝わる。徳の香りはどんな香りをも凌駕する。と説いています。

 

以前、とある仏教の和尚様に教えて頂いた言葉で、ジャスミンをお供えするときはいつもこの言葉を思い出します。

 

我が家、夫も私も、仏教への信仰心が特に深いわけではありませんが、祈りの心はできるだけ持つようにしています。ありがちな日々物事に追われる日常で、どちらかと言えば祈りのない日のほうが多いぐらいですが、旧暦 1日と15日には神様に手を合わせ、お線香を供え、祈るようにしています。

 

ジャスミンをお供えすると、家の中に何とも言えない甘い香りが漂うので、夫があれっ今日 1日 (または15日) だったっけ? と気づくほど。そうだよ、今日十五日だよと言うと、じゃぁ旧正月まであと 15日だ。

 

そんな何気ない会話で、旧暦と共に暮らす良さを感じたりしながら。急に時間がゆっくり流れるような気がして、いつもあれやらなきゃ、これやらなきゃ、となっている自分を一旦止めて、振り返ってみたり。毎月の旧暦 1日は小さな初詣が毎月来るような感覚に似ています。

 

ジャスミンのお花、マーケットで手軽に買えます。宗教だとか祈りだとか関係なく、甘~い香りに心癒されるので気になったらマーケットで見てみて下さい。

 

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