ハリラヤハジ ~ 犠牲、感謝、思いやりの心で祈り、祝うイスラム教の祝日

Hari Raya Haji 今日はハリラヤハジで祝日のシンガポール。

 

ハジとはメッカ巡礼

 

ハジとは大巡礼のことで、イスラム教徒に課せられる 5つの信仰の柱の1つ。一生に一度イスラム教の聖地、サウジアラビアのメッカを訪れます。

 

メッカに行くのは容易なことではなく、サウジアラビアが世界中の国にメッカを訪れるためのビザ数を割り当てます。シンガポールにも毎年割り当て数がありますが、希望するイスラム教徒全員に割り当てるには程遠く 10年待っても行けないといった状況も。

 

そもそも世界の全イスラム教徒、約16億人に対して、この時期に大巡礼として訪問できる数が限られているので、ムスリムの方にとっては、まさに一生に一度行けるかどうかの神聖な宗教行事なのです。またこの 2年はコロナでメッカ巡礼受入数が大幅に引き下げられたので、特にご高齢のムスリムの方でメッカ巡礼を待ち望んでいる方には一層厳しいものとなりました。

 

大巡礼 (ハジ) の時期以外にメッカを訪れることを小巡礼 (Umrah ウムラ) と区別していますが、イスラム教徒として課せられているのは大巡礼です。一生のうちで両方とも達成できた方はさぞ幸せなことでしょう。

 

メッカ巡礼は宗教的ライフイベント

 

イスラム教徒の方にとって、メッカを訪れるとはライフイベント。メッカ巡礼を終えられた方は、男性はハッジ、女性はハッジャを名前につけることができ、同じイスラム教徒の方々は敬意をもって接します。

 

これは私が 2000年にエジプトを訪れた時の写真。メッカ巡礼をした家には、家の外壁にメッカに行ったことを表現する絵を描きます。あちこちで無数に見ることができました。

 

シンガポールでは多くの人が HDB に住んでいるため、このような習慣はありませんが、以前ウビン島に残るカンポンハウスの壁にメッカの絵が描かれているのを見たことがあります。写真を撮ったはずで探したのですが、どうしても見つからず。また次の機会にシェアしたいと思います。

 

アラブストリートの Haji Lane

 

アラブストリートの Haji Lane はハリラヤハジ、この大巡礼ハジに由来しています。飛行機がなく、船で巡礼に向かう時代、ムスリムの方はハジレーンの宿舎で数日を過ごし、渡航準備をしてから巡礼の旅に向かいました。

 

Haji Lane の近くには今でも巡礼の旅に必要な物を売るお店がいくつかあります。そして今、飲食店やかわいい洋服などを売っているハジレーンのショップハウスは元々、ハジに行くための宿舎だったのです。

 

昨年コロナでハジの巡礼が行えないムスリムの方を想って、シンガポールの壁画で有名な Yipさんが描かれたハジの様子を描いたアート作品。1970年代のアラブストリート、ハジ出発前の様子を再現しています。ハジに出発する人も、見送る人も、旅立ちへの高揚感が伝わってくるように繊細に描かれています。

 

 

犠牲祭

 

ハリラヤハジは、この大巡礼が終わったことをお祝いするものであり、巡礼に行けなかった方も祈りを捧げ、動物のお肉を思いやりの心で貧しい人にも分配、感謝し、イスラムの同胞が共に祝う犠牲祭でもあります。

 

Selamat Hari Raya Haji

 

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