シンガポールで消えゆくもの ~ 時が止まったような最後の日用雑貨店 (1)

シンガポールにこんなお店が残っているの…と思うような

 

その場所だけ時が止まったように感じる古い日用雑貨店があります。

 

HDB 階下、ホーカー、マーケットに近いローカル色濃い場所にある古い日用雑貨店は、シンガポール各地にまだ割と数ありますが、昔ながらのカンポンスタイルで、ご自宅兼お店として営業されているのはここだけ。

 

シンガポールに残る最後のカンポン日用雑貨店と言われている Tee Seng Store 致成商店、日本人墓地に近い Kovan で今も営業を続けて 66年。店主の Angさんを訪ねました。

 

Tee Seng Store 致成商店

 

お店のご主人 Angさん 81歳

 

Angさんのお話しを聞くことになったのは、こんな昔懐かしい古いお店があるんだよ、と私が facebook で写真をシェアしたのがきっかけでした。それを見た シンガポール人で油絵を描くアーティストの友人 (ラサールカレッジでアートを教えています) がそのお店の絵を描きたいと連絡をくれました。私は Angさんにゆっくりお話しを聞いてみたいと思っていたので、じゃぁ彼が絵を描いている間、私は Angさんと話をするから一緒に行こう! となりました。

 

ゆっくりお話しを聞いてみたいと思っていても、そのような機会をつくるのはそう簡単ではありません。話しをする時間をつくること、時間をつくっても相手が忙しいかもしれないし、相手が話をしたいと感じてもらって、そこから話を引き出す場つくりも必要。

 

友人がそこで絵を描くのに 2時間はかかるとのことで、それだけ時間があればお店に居続ける理由ができ、Angさんがお仕事する傍らゆっくりお話しをするには絶好の機会でした。彼が絵を描きたいと言わなかったらこんな機会はなかったかもしれず、友人にありがとうを伝えました。

 

*

 

Angさんはキャッシャーの所に座っていることが多く、私はお店に入って、時折来るお客さんの邪魔にならないようにキャッシャーのそばで立って見ていると、そばにあるもう 1つの椅子に座ってと言ってくれました。途中、立ったり座ったりを繰り返しながら、そこに 2時間ほど座ってじっくりお話しを聴くことができました。

 

Angさんは 1940年 (独立前の)シンガポール生まれ。1955年 15歳の時に元オーナーの方とお店を始めました。場所は当時から今も変わらず、ずっと同じ場所で。その後元オーナーさんは商売をやめることになり Angさんがオーナーとなって商店を引き継ぐことになりました。

 

1955年から今年で 66年、今も昔とほぼ変わらない店構え、店内が残っていることに驚きます。店内は過去に戻ったかのような、時が止まったかのような、郷愁を感じるレトロ感に溢れています。

 

お店の入口、看板の下にある古いアルコール販売許可証。これと同じ物、たまに古い日用雑貨店で見かけます。

 

店内の様子

 

食料品だけでなく洗剤、歯磨き粉などの洗面用品から電池、ちょっとした文房具など。スーパーのような品揃えとはいきませんが、商品の種類はかなり多くに渡り、日常生活に必要な物が一通り揃っているといった印象。贅沢するような物はありませんがシンプルな生活をするには充分な品揃え。

 

私がいる間に偶然サプライヤーの方が来て、商品のチェックをしに来られたので、いくつか質問してみると、1ヶ月に2回ほどお店に来て商品の状況をチェックし、在庫の少なくなった物は仕入れリストにして、そこから Angさんが在庫 (商品) として買うものを確認して購入するのだそうです。

 

道教の神様も祀られていました

 

祭壇の左手奥には、キッチンとダイニングがあり (台所と食卓と言った方がぴったりかもしれません) 田舎暮らし、おばあちゃんちの台所といった雰囲気。お店はご主人の Angさんを中心にご夫婦で経営されており、今も奥様が家でお料理をして、お店をしながらお昼、夜にはお食事を作られるそうです。

 

私がお店にいた 2時間ほどの間、お客さんが割と来るんです。数えていたわけではないので正確な数は分かりませんが、感覚的に 10分に1人といった感じ。1人買いに来て去って、しばらくするとまたすぐに来る感じ。どんなお客さんが来るのか、どんなニーズがあるのか、よく売れる商品も分かっておもしろい時間でした。

 

それについては次回に続きます。

 

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イラスト提供 Instagram @singapolah

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