旧正月でもそうですが、おめでたい事や縁起をかつぐ時、そうではない普段の日常生活の中でも、華人の方はとにかく吉祥にこだわり、縁起をかつぐ文化、習慣があります。華人の方にとって縁起の良い数字は 偶数 ですが、なぜ偶数なのでしょうか。
中国には 好事成双 という考え方があります。好 (よ) き事は 双 (ペア) になる、よい事はペアでやってくる。英語で Good things come in pairs. といった意味があり、それゆえに偶数が縁起の良い数字です。
結婚して 2人になることが代表的な幸せであるように。また中国寺院やビル、オフィスの入口両脇に獅子が対に置かれていたり、左右対称で 2つであることが安定をもたらすものと考えます。
旧正月の縁起物を売るお店、お飾りやみかんなど食べ物からあらゆる物、旧正月に関わる物の値段は ほとんどが $6.8 、$12.8、$19.88、$22.8 など偶数や 8 をつけた値段がついています。
この時期、魚生 (ローヘイ) のお値段も $38、$68、$88 など。旧正月用のコースメニューのお値段も$288、$388、$680 といった値段設定になっているので、気にして見てみると何でも 8 が多いことが分かります。
八は中国語の 「發」 と発音が近いことにより、旧正月の挨拶でおなじみ「恭喜發財」 の 「發財」 は富を築く、お金がいっぱい入ってくる、お金が生まれるといった金運に恵まれる意味です。
旧正月、結婚などのお祝い事以外でも 8、偶数は常に好まれます。シンガポールだと不動産を買う時はユニット番号に 8 がつく物件や 8階、18階、28階 のユニットは先に売れていきます。車も同じく。シンガポールで車を買うと、通常は割当てられたナンバーで自分では選べませんが、お金持ちの方は 8888、2888、2828 といったナンバーをお金を出して買い取ります。街中で走っているフェラーリ、ランボルギーニなどの高級車は、選んで買ったと思われる個性的なナンバーが多いです。
9は偶数ではないのですが、中国語の「久」の発音に近く、久の意味は中国語で長い、永遠といった意味があり、おめでたい事が永遠に続くようにとか、長寿にも好まれますが、8 が圧倒的に好まれる威力には到底及ばないといった感じです。
*
華人文化で弔事は全て奇数です。お通夜の日数は 3、5、7日のいずれか。お葬式のパッケージの金額は奇数で、先に書いたような $2888 のような値段はありません。私は当地の文化にすっかり慣れて、おめでたい事でなくても日頃から何でも偶数を選び、奇数を避ける習慣がついてしまいました。それぐらい華人の方は日頃から吉祥数字にこだわる文化があります。
バナーをクリックで応援お願いします！
にほんブログ村
イラスト提供 Instagram @singapolah
