Tai Seng 大成、タイセン ~ シンガポール東部の街
2010年 サークルライン Tai Seng 駅ができて以来、交通の便がよくなりよく知られるようになった街ですが、今も昔も工業、商業の盛んなエリアとして古い歴史のある街。この5年ぐらいで新しい商工業ビルが次々と建ち、急速に変わったのは 2013年にリー首相がタイセンの外れにあるパヤレバ空港(現在は空軍基地として使われています)を 2030年までにチャンギへ移し、跡地を新たな住宅地にして、オフィス、工場、商工業地区として再開発する都市計画を発表したことによります。
空港周辺は高いビルを建てることができないため、パヤレバ空港が移転すれば高層ビルを建てることが可能になり、将来の再開発を見込んで新しいビルが増えました。この辺りは古いビルが多かったのと、オフィスが多い割には食事できる場所も限られていました。小さなお店がポツポツあるだけで、食品など買い物をする場所も何もなかったのですが、次々と新しいビルが建ち、駅とビルが地下直通にもなって便利になりました。
Tai Seng 駅を降りてすぐ Airport Rd と Paya Lebar Rd の交差点に建つ、ひと際目立つ個性的な形のビルは Bread Talk 本社ビル。 2013年にできた新しいビルです。
Bread Talk 本社ビル
パンの形に見えますか? 層になったデニッシュペイストリーをイメージしたビルです。
Bread Talk グループでは様々なフードビジネスを手掛けておりビルの 1階には Bread Talk が展開する飲食店が入っています。
BreadTalk, Toast Box, Food Republic, Sō(ラーメン), Din Tai Fung など
* 鼎泰豊は Bread Talk が台湾からフランチャイズ権を得てシンガポールで営業しているので、台湾の鼎泰豊のほうが美味しいとよく耳にするのはそのためです。
この周辺には他に、SAKAE SUSHI 本社ビル、Charles & Keith ウェアハウス兼本社ビル などがあります。Charles & Keith 本社ビルでは年に数回 クリアランスセールがあり、セール時は長蛇の列で混みあいます。
もう 1つ ユニークなビルが、18 Tai Seng St に建つ 18 Tai Seng ビル。ミシュラン飲食店の Tim Ho Wan, Hawker Chan, Tsuta ラーメン蔦の他に、モールに入っているようなローカル飲食店が多数入っています。
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現在の Tai Seng の雰囲気からは想像できませんが、植民地時代にはレモングラス農場、ゴム農場、中国人移民によるゴム工場が繁盛。日本による占領時代後はタクシーも行きたがらない犯罪や暴力団が蔓延する地域といった歴史を経て、1955年パヤレバ空港開港により再び大きく変わりました。パヤレバ空港は 1981年にチャンギ空港が開港するまでの 26年間、民間空港でした。
Tai Seng は 中国語で『大成』と書き、文字通り 大きく成る、大きな町、大きな達成といった意味があります。私はふと、大器晩成 の言葉が浮かんできました。地味な感じの街ですが昔の面影を残しつつ、空港の移転もあり、これからも変化を続けていく街になるでしょう。
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イラスト提供 Instagram @singapolah