総選挙に向けて進む新旧世代交代

先日総選挙が発表され、現在は 6月30日 の立候補届日に向けて、各党から新しい立候補予定の顔ぶれが次々と発表されています。

 

その逆もあり。今回の総選挙には出馬しないと引退を決めたベテラン政治家お2人のニュースもありました。お1人は、ゴーチョクトン氏。初代首相リークアンユー氏の後、第2代首相を 1990年~2004年と14年の長きに渡って務められました。リークアンユー氏は首相からは退くものの、強い影響力を後ろから与え続け、リークアンユー氏の意思を継ぎ、信頼できる者だけが首相に就くことができるある意味縛られた条件付きでありながら、経済界に強いパイプを持ち、シンガポールが劇的に発展する時代に手腕を発揮された方。

 

もうお1人は、野党 Workers’ Party の党首として長年活躍されてきた Low Thia Khiang (ロー ティアキアン)氏、今回の総選挙には出馬しない事を表明し引退を発表しました。一党独裁政権と言えるシンガポールの政治界に果敢に釘を刺し続けてきたのが ロー氏です。

 

ゴーチョクトン氏はもうすぐ80歳になるので、年齢的にも政治家としてもやり切った感ありますが、ロー氏は 60代とお若く、まだまだ活躍が期待されていただけに、引退には驚きと悲しみの声が上がっています。(ご本人は役割を果たしたとおっしゃっています。)

 

一党独裁政治とも言えるシンガポールで野党の党首として政治活動をするには、不屈の精神がなければ続くものではないでしょう。私自身、日頃から与党びいきではありますが、与党の政策は時に過度に傾き過ぎ、国民や国民感情を無視していることがあるのは否めなく、ロー氏はシンガポールでは野党が政権を握ることは難しいと認めながらも、与党優勢で独裁的な進め方には常に鋭く切り込むべきだと声を上げ続けてこられた方。

 

シンガポールでは野党は踏まれても踏まれても強く生えるような雑草のような存在であり、ここでは書くのも憚られるような事実もあり。良い意味では与党が健全であり続けるための野党として活躍されてきたことに大きな敬意を表わしたいと思います。政治的な立場から、与党の方々は表立って ロー氏の引退については触れていませんが、対立する党であっても、シンガポールをよくしたい、発展し続ける国でありたい「Team Singapore」としての想いは政治家であれば皆同じです。

 

中立的立場としてハリマ大統領がそのことについて触れ、ゴーチョクトン氏とロー氏への長年の功績に敬意を表しているのが印象的です。

Even though they serve on opposite ends of the political spectrum, it is well known that Mr Goh Chok Tong and Mr Low…

Halimah Yacobさんの投稿 2020年6月25日木曜日

 

総選挙に入れ替えはつきものですが、与党、野党ともに今回の総選挙では一気に世代交代が進み、若返りとなっていきそうです。シンガポールは変化が速く、多くの政府機関では、人材育成に重点を置き、リーダーのポジションはできるだけ早く次の若手世代に任せ、譲っていくやり方をとっています。

 

リー首相は首相からは引退される予定ですが、新首相をサポートする形でもう1期(あと5年)は議員を続けられる形になると思います。1つの終わりは寂しい気持ちもしますが、新たな可能性に目を向けていきたいところです。

 

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