シンガポールの街角で ~ 些細な言葉が交わるとき

今朝、駅までの道を歩いていたら Good morning ! と声をかけられました。道端でほうきを持って歩道を掃除しているおばちゃんだった。一瞬 私に向かって言ってるのかな? と戸惑ったけれど周りには私しかいなく Good morning ! と挨拶を返してそのまま駅への道を進みました。

     

シンガポールで外で見ず知らず人に声をかけられるのは、よくあることで、こんなことは今までに何度も何度も体験したことがあるのに、思いがけない「おはよう」のたった一言がこんなにも心温まるものなのだと改めて感じた朝でした。

          

私自身、躊躇せず知らない人に話しかけたりするほうで、そうだ、ついこの間もこんなことがあったなぁと思い出していました。

     

その日は詰まっていた用事を全部終えて、ようやく遅いお昼を食べようと一息ついた夕方 17時頃。遅いお昼どころか、もう夕食になりそうだけど、ハラペコでとにかく何か食べたいと思って入った飲食店。食べ物ができたら円盤形のブザーが鳴って、セルフサービスでカウンターに取りに行くようになっていました。私がちょうど食べ始めたら、すぐ隣の席の人のブザーがなっているんだけれど、ちらっと横を見ると彼はラップトップにイヤホンを繋いでオンラインミィーティング中。英語で話しているのが聞こえ、ブザー音がうるさいようで、ブザーを塞ぐように手で覆うのが分かりました。

 

ブザーちょうだい、食べ物とってきてあげる、とオンラインで話している彼にジェスチャーで伝えて、テーブルの空いているスペースに食べ物がのったトレイを置くと、まだオンライン中で、両手を合わせてありがとうのジェスチャーをするので、お安い御用で、と親指を立てていいねサインで返しました。  

     

ようやくありついた夕食のようなお昼で、今さっき見ず知らずの人とあった些細な出来事は、もう忘れたかのように夢中に食べていたら、しばらくして隣からさっきはありがとうと話しかけられました。そのお店、隣のテーブルとのスペースがすごく近かったのです。他愛もないお喋りをして、今こうして書きながら振り返ると、彼は割と長い間オンラインで話していたのでしょう。私はもう食べ終わって早く家に帰らなくちゃと思っていたので。じゃぁ! と私は席を立ちました。アメリカの方でした。   

     

*

 

それよりもう少し前の別の日のこと。ドビーゴート駅構内の乗り換え通路で、スマフォを見たり、立ち止まったりして行き先を確認している若い女の子。私は後ろから歩いて来て抜かす形だったので May I help you ? と声をかけると City Hall に行きたいというので、私も City Hall に行くからホームまで一緒に行きましょ、と言ってそのまま歩きました。紫ラインから赤ラインのホームに着いたら、ちょうど電車が入ってきたのでこれに乗って次の駅!と言って、そこで別れて私はあえて少し離れたドアから同じ電車に乗りました。最初に一言話した時にベトナムの方かな~と思ったのですが、彼女はベトナムの方でした。

 

*

 

数ヶ月もしたらそんな言葉を交わした出来事も、言葉を交わした人がどんなお顔だったかも思い出せないぐらい、記憶から消え去りそうな些細なことでも、些細なことがたくさん積み重なって、出来上がる「目には見えない何か」ってあると思うんだよね。それがその国の印象になったり、その国の人たちの印象になったり。今朝のたった一言の「おはよう」から、些細な言葉を交わそうと思った出来事でした。掃除のおばちゃん、ありがとう。

 


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