コロナ禍での旧正月は

週末チャイナタウンを訪れました。今年は毎年恒例の旧正月前マーケットが初の中止。一時的にオープンする露店形式の出店はないものの、旧正月向けのお飾りなどが売られていて、そこそこ人も出ているように見えました。

 

去年のフェーズ3後、気の毒になりそうなぐらい、人がいないチャイナタウンのことを思えば、ある程度回復しているようにも見えましたが、コロナ以前には到底及ばず。観光客がいないですからね…。今年は (今年もと言った方がいいのかな?) 静かな旧正月になりそうです。

 

旧正月名物ローヘイは掛け声禁止に

 

シンガポールの旧正月名物、魚生 (ユィーシェン)。ローヘイの呼び名でもよく知られるおめでたい食べ物。これは食べ物の味を楽しむのではなく、おめでたい行為を楽しむ食べ物。縁起の良い言葉を大きな声で叫びながら、長いお箸でお皿に乗っている人参や大根の千切りを高い所まですくいあげては、またすくっての行為を繰り返して、できるだけ散らかします。上品にするよりも、ここは派手に散らかした方が縁起が良いとされ、食べることよりも皆で一緒に叫びながら散らかすのがいちばん楽しく、おめでたい雰囲気になるローヘイですが。

 

 

今年はコロナの影響により、立ってかきまぜる行為をする時はマスク着用で。掛け声をかけるのも基本的には禁止。「無言」というわけにもいかないでしょうし、大きな声を出さなければ OK なのでしょうけれど、その時々のお店の雰囲気、周りのお客さんの雰囲気、お店側がどれぐらい注意したり、厳しいかによりそうです。いずれにしてもお正月にふさわしいローヘイはできそうになく、今年のローヘイシーンは一風変わったものになりそう。

 

ローヘイはレストランだけでなく華人家庭では家でもやりますので、家でやる分には制限はありません。

 

Straits Times ニュース記事

  

ライオンダンスも大幅規制に

 

旧正月の縁起物といえばライオンダンス。ホーカー、コーヒーショップ、家庭、住宅でのライオンダンスは規制対象に。対して、オフィス、工場、ホテル、寺院、ショッピングモールでのライオンダンスは、ソーシャルディスタンスを守った上で可能。

 

ライオンダンスのパフォーマンスを行う方は 8人以内に制限、ライオンの頭とお尻部分をコントロールする 2人はマスクをしなくても良いのですが、その他のパフォーマーはマスク着用。ライオンダンスを行う団体は、どこでパフォーマンスを行うかスケジュールを毎日警察に提出する必要があるなど、手間もかかってなかなか厳しい状況ですが、感染を拡大しないためにもライオンダンスの舞踏団にはある程度受け入れられているようです。

 

Straits Times ニュース記事

 

これができない、あれができないという視点で考えるのは好きではないのですが、これもコロナ禍の現実。事実を受け入れ、コロナが蔓延していることは変えられませんが、どうやってこの状況に向き合うかは考え方次第で変えられます。自分の力では変えられないことに目を向けるよりも、変えられることに目を向けて。     

 

*

 

2月旧正月の後は、4月中旬からラマダン。今年に入って早々、ラマダンバザールの 2年連続中止も決定となりました。この様子だとナショナルデーも 2年連続大幅縮小開催、場合によっては 2022年の旧正月も…。ぐらいの気持ちでいたほうが良さそう。なんだか暗い終わりかたになりましたが、わたしは気持ちだけはいつも前向きです。       

 

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イラスト提供 Instagram @singapolah

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