2020年1月8日 今日午前中、リー首相はシンガポール国立総合病院でコロナウィルスのワクチンを接種しました。
12月14日 フェーズ3移行の発表を行った際、ワクチン供給に関する話が多くあり、その中でリー首相はご本人がいちばんにワクチン接種をして、ワクチンが安全なことを国民の皆さんにお見せしますと発言。
* フェーズ3移行会見 ~ シンガポールの底力と次章への決意を感じて
いちばんと言っても、第1グループの中で2番手になるとか、1番最初とほぼ同じと言える状況も選べたであろうなか、リー首相と、コロナ対策記者会見でおなじみの保健省責任者である Kenneth 准教授のお2人が、官僚の中では一番手でワクチンの接種を受けました。
言ったことを守る。行動して見せる。シンプルでありながら、言葉と行動が伴うかどうかは難しいこと。政治だけでなく、上司 – 部下、先生 – 生徒、親 – 子供、友達同士などでも、言った約束を守ることによって作られる信頼がどれだけパワフルなのかを感じます。
首相自らがワクチン接種の先頭を切って、国民に安全であることをアピール。接種は個人の選択とするものの強く推奨する意図があるのはもちろんのことですが、首相の写真から受け取るメッセージ性がとても強いことを感じました。
シンガポールでは国民に大きな影響がある内容のニュース、発信、メディアへの出し方に関して、とても事細かく戦略的に考えられています。どういう場所で行っているか、場所柄、どんな人物が適任か、人物像、その人が持っている背景、ストーリー性なども厳選されていて、それらは直接言葉や文字として発信されなくても、場所や人が持つ「イメージ」が重要なのです。
今回のワクチン接種でリー首相が投稿されていた 5枚の写真から、「ワクチンは安全なので国民の皆さん接種に積極的にご協力ください」 の意味が第一ですが、それ以外にも強烈なメッセージが込められているのを感じました。政治的な意味が強いことも感じましたし、ブログに書くにはちょっとばかりセンシティブな内容も。いちばん大事なことは、国としてワクチン接種の効果を出して、次のステージに動きたいという前向きな意味。
現在は医療従事者の方の接種が始まっており、今後ご高齢者、感染リスクの高い方に続いて、接種の具体的スケジュールについて計画中。接種に関しては人それぞれお考えがあると思いますが、これだけ首相に大丈夫ですとアピールされると(笑) 不安の種は小さくなるのではと思います。
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イラスト提供 Instagram @singapolah