みなぎるエネルギーと熱い信仰心に包まれて ~ バトゥケーブで迎えたタイプーサムの旅 (3・最終話)

2泊3日 KL タイプーサム旅。

1話 お神輿を見る
2話 タイプーサム前日のバトゥケーブ

 

いよいよタイプーサム当日。旅の最終日であり、この日は、朝早くからタイプーサムを見て、お昼にホテルをチェックアウトした後、荷物を置いてもう一度タイプーサムを見たら、KL 中心部に戻り、夜の便でシンガポールに帰る日程でした。

 

前日の夜もバトゥケーブでお祭りの様子を見て早めにホテルへ帰った後。明日の朝はいよいよタイプーサム当日だけれど何時ごろ見に行こうかなー? 朝 6時半ごろ行って、太陽が上がって空が明るくなる頃がいいかな、うん、そうしよ、早く寝よう。スマフォのアラームは 5時半にしました。

 

ところが、ふと目が覚めて時間を見ると朝 4時半。泊まったバトゥケーブに近いホテルの部屋は、バトゥケーブへの大きな幹線道路に面していて、窓から外の様子がよく見えました。外がうるさいと思うほど騒がしくはないけど、夜中なのにシーンとしているのではなく、何やら人の声が聞こえたりしてくる。ガヤガヤではなくて、ガサゴソ、ガサゴソみたいな。外を見てみるとタイプーサムの黄色い服を着てミルクポットを持った方が、バトゥケーブ方向から帰ってくる人もいるし、向かっている人もいる。お正月に、神社の近くでその様子を見れば、あぁこれから初詣に行くんだな、それとも初詣に行ってきたんだなぁ、と見てすぐに分かる。そんな様子でした。

 

断続的に次々と人がバトゥケーブに向かって歩いて行くのと、戻ってくるのを見て、スマフォでオンラインのライブ中継を見たところ、そこで想像もしていなかったものすごい光景にびっくり。(その光景はこの後に登場します。) もの凄い人、人、人。スマフォに映し出されたその光景を見て、この光景、今見たい!今すぐ行こう! と思い、ささっと身支度をしてホテルを出ました。高鳴る気持ちでホテルから歩き、メインゲート付近まで来ると、ゲート付近は大混雑。

 

早朝 5時10分ごろ

 

前日の午前中来た時のゲート付近と比べると一目瞭然。

 

ゲートの状況を見て、中に入れるのかどうかを疑ったけれど、列になっているような、なっていないような、並んでいるのかも分からないような群衆の後方に身を投じるように紛れ込むと、不思議なぐらいすーっと自然に進んで入れました。いちばん混み合っていたのはゲート付近だけで、そこを抜けた後は、階段に続く参道を混雑しつつも割とスムーズに歩けました。

 

とにかく群衆に身を任せて歩くというか、少しずつ前に歩を進めます。

 

ホテルで目が覚めて、ライブ中継を見て、今すぐ行って見たいと思った光景がこちら。今回のタイプーサムの旅で目にも心にも焼き付いていちばん印象に残ったシーン。

後で見返すと、先のゲートで写真を撮ったのが 5時10分、この光景を 5時25分に撮っているので、ゲートから入って 100m ほどを 15分ぐらいで進んだことになります。

 

早朝のまだ暗い中、バトゥケーブへの急な階段に、上りも下りもびっしりと詰まった人、人、人。圧巻、壮観、英語で massive crowd の他にどう言えばいいのかなと思いました。

 

空が明るくなる 7時頃まで座って眺めていようと思い、空いているスペースに座りました。足の踏み場を探さないといけないぐらいで、ちょっと人混みが途切れたり、スペースが空いていると、その合間を縫って行きたい方向に動くイメージ。広場のようになっているスペースは、レジャーシートやブランケット、エアーピローやクッションを持って来て休んでいる人、がっつり寝ている人もいて。

 

 

これだけの人の中、苦行する方を鼓舞する楽隊の高鳴る太鼓の音、このだだっ広い会場に向けて、マイクで諸々の案内をする放送もあり。あらゆる音が渦巻く雑踏… でも不思議とこの騒がしい場から早く出たいっていう気持ちはなく。とにかくもの凄いポジティブなエネルギーのシャワーが、そこにいる人全てに降り注ぎ続けているような心地よい感覚でした。

 

参道のほうへ行って、カバディを担ぐ方とそのサポート隊に近づくと、もの凄い熱気。圧倒的なパワフルさ。何事にも強弱があったり、押しと引きがあったり、プラスマイナスのバランスがあって成り立っているわけだけど、どうしてこんなにも強、強、強、最強、最強、ポジティブ、ポジティブのステイタスが続くんだろうっていう熱量。

 

カバティと楽隊のチームが次から次へとやって来るのを間近で見ました。

 

すごく近くでじーっと見ていると、昂るお祭りの中にも強弱はあって、でも通常以上にメーター外れたレベルでお祭りが進行しているから、弱になっても高いのです。それゆえトランス状態にもなるし、身も心も神に委ね、人間の限界を超える域に達しているし、そこに達しようとしている人たち。そこに達しようとしている原動力、それこそが強い信仰心なのだと感じました。不安や恐れ、何もかもを打ち破り、身も心も捧げたとき、神から強力な力を与えられ、限界を超えて行ける。熱い信仰心と、強烈なムルガン神のパワーを私も身体に電気が走るように強く感じました。

 

次々にやってくる信者の方々の姿とその光景を見ながらしばらく過ごしていると、ようやく空が明るくなってきました。

 

空が完全に明るくなった 7時半頃、いったんホテルに戻り、その日はチェックアウトするので荷物をまとめたり、休憩もしながら。お昼前にチェックアウトしたら、最後にもう一度バトゥケーブへ行ってお祭りを見てから、夕方になる前に KL 中心部へ早めに戻りました。空港へ行く KLIA エクスプレスを予定より大幅に早い時間に乗って、空港でゆっくり時間を過ごしてこの 3日間のことを振り返ったり、写真を整理したりして過ごしました。今こうしてここに整理して記録したことでも、再び想い出がぐぐっと入ってくるのを感じています。

 

たくさんの温かい笑顔と、熱くみなぎる信仰心に触れることのできた貴重な体験、想い出深い旅となりました。

 

 

*

 

最後に、いちばん印象に残ったのは、カオスなのにカオスではなかったこと。これだけの人の中で、人を押し合って我先に行こうなんていう人もいなかったし、そんなことも一度も感じませんでした。雑然とした中に整然としたものがあり、これぞ神の力と、そこに集まる大勢の信者の方の祈る気持ちによって創り出されるものだと思います。

 

もしバトゥケーブにご興味を持たれた方、バトゥケーブにタイプーサムを見に行ってみたいと思われた方へ、ちょっとだけアドバイス。

 

人混みに対応できるかどうか不安だと思います。行ってみて無理だったら休んだり、戻ればいいわけで。でも行くとなったら、場の空気とエネルギーに委ねて、その場に身を投じて、ただただ自然に楽しむ。それだけ。ご家族で行く場合は、小さなお子さんと一緒は難しいかな… 例えばパパだけ、またはママだけバトゥケーブに行って、パパかママとお子さんはホテルで待って過ごす、または 1人行っている間 KL 中心部で時間を過ごすこともできると思います。家族の中でも、見に行ってみたい、こんな混雑行きたくないに分かれると思うので、家族全員で見に行くよりもオプションがある方が気楽かもしれませんね。

 

タイプーサムが終わってもうすぐ 2週間になろうとしているのに、今もパワフルなエネルギーに包まれています。このエネルギーを持ちつつ、さーて旧正月モードに切り替えて行こうかな。

 

タイプーサムの旅で撮った写真はインスタのサブアカウントで、インド関連アカウントにたくさんアップしていますので、ご興味ある方はインスタをご覧ください。

 

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平日の部、週末の部ともに無事終了、たくさんのご参加どうもありがとうございました🙏🏻

 

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