今週 8月10日から規制緩和となり、シンガポールでは、ワクチン接種有無による制限の違いが初めて導入されたのはご存じの通り。
ホーカー、コーヒーショップでは、ワクチン接種の有無に関わらず 2人まで外食することができますが、レストランでの外食はワクチン接種者、または 12歳以下のワクチン接種対象外のお子さんで同居家族のみの場合 5人までに限られています。
ワクチン接種されていない方は PET (PRE EVENT TESTING) 事前検査を受け、陰性証明を取得することにより外食が可能になります。
■ PCR と ART の違い
– PCR は綿棒を鼻の奥まで入れないといけない為、痛みが強い。
– ART は綿棒を鼻の奥まで入れる必要がない。
– PCR は検査結果に数時間を要し、ART は10分程度で結果が出る。
– PCRの方が精度が高いものの、ART も 8割程度の精度があり、医学的に ARTが有益であると言われている。
今年ナショナルデーパレードに関わる全ての人は、ワクチン接種者で事前陰性証明が確認できた人のみとなっており、先日私も PET に相当する検査を指定施設で受けましたが ART でした。PCR と違って鼻の奥まで突っ込まないのでまったく痛くなかったです。ほんの数秒で終わり、検査結果も驚くほど早かったです。
* 私が受けたのは正確には PET ではなく RRT (ROSTERED ROUTINE TESTING) という別の規定によるものですが、要領は同じ。
すぐに結果が分かり、SMS で検査結果が届きます。検査の混雑具合や受ける機関によっても違うと思いますが ART は迅速に結果が分かることが利点。早ければ受けてから 10分ぐらいで SMSが入ることもあります。長くかかっても 30分ぐらいかと。検査後、支払いを待っている時点で受け取るぐらい早いと思います。指定医療機関/施設での検査料は $20程とのこと。
SMS にあるリンクをクリックすると陰性証明が出る仕組みになっています。
下部に検査結果の日にち、時間が表示されています。横線が入って見えなくなっていますが、消すために入れたのではなく、スクリーンショットをとった時に出てしまうラインが、ちょうどかぶってしまいました。
– 陰性証明は 24時間のみ有効で、24時間を過ぎて外食に行く場合は、その都度検査が必要になります。
– 検査後すぐに証明を取得できるので、クリニックに行ったその足で外食に向かうことができます。
– 24時間を過ぎたものは リンクをクリックすると Expired の表示が出ます。
24時間を過ぎた Expired の表示
< 課題 >
検査結果をスクリーンショットにすると、当然ながらずっと Negative 表示のまま保存できて、画像を使おうと思えば 24時間を超えても使えます。そんなことをする方はいないと思いますが、全体の中のごく少数には悪用する人もいるわけで、飲食店側がどこまで細かく確認するかはお店、担当者によって違い、全ての人の責任と良心に委ねられることになります。
別人の証明を使う人がいるのでは、オンラインの他に紙面の提供が必要なのでは、オンライン表示と共に飲食店は IC の確認が必要なのでは、外食に行ったけれど口頭確認だけでワクチン接種証明を提示しなくても良かった、もっと徹底した確認が必要なのでは、といった確認、運用方法への様々な声も上がってきています。
政府は陰性証明を悪用して使うあらゆるケースを想定しており、違反は厳しく罰すると明言しています。悪用ケースが多発すれば確認方法、システム自体を見直し、修正しながらの運用になるでしょう。また飲食店の手間もかかるため、例えば QRコードにするなど、今後もっと簡略される形になるのではと思います。
多少の手間はかかりますが、検査のお値段も手頃。ワクチン接種しない選択でも、この方法で週に 1回検査を受けて外食の日をつくるとか、週1 が面倒なら月に 2回ぐらいの割合でもいいのではと思いました。
<シンガポール国民、PR保持者、ビザ保持者すべての方対象>
シンガポール外でワクチン接種を受けた方は、接種の証明書類を持参し、シンガポールの指定医療機関で血清検査が必要になります。検査によって抗体が確認されると、シンガポールのシステムにワクチン接種済みの記録が更新され、数日後に HealthHub サイトに反映されます。現在 HealthHub と合わせて Trace Together アプリにも接種記録が反映されるよう作業を進めており、8月末までにサイト/アプリ両方への記録反映ができるようになる見込み。
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私はワクチン接種を支持していますが、ワクチン接種されない方の選択も尊重したいです。ワクチン接種が始まってから、多くの人が感じているであろう、接種するかしないかによる考え方の違い、そこから生まれる対立、分断。そしてお互いの理解がすれ違う怒り、悲しみ。特に今回の規制緩和では、接種有無による区別が始まり、分断が更にくっきりとしてきました。
接種した人も、しない人も、ワクチンの事だけでなく様々な考えの違う人がいて当たり前。どんな人もこのコロナ禍を共に乗り越えていきたいと思っていて、対立や分断による過剰な怒り、悲しみ、やり切れない想いに触れるたび、私は悲しく感じています。どうしたら共に進めるのかを考えていて、同じように考えている人、接種しない人の話を聞いたり、いろいろな人の考えを聞いてみて、自分への問いを何度も重ね、今少しずつ私なりの平和的アプローチが見えてきているところ。ようやく言葉にできそうなところまで辿り着いているので、それについての想いは近々シェアしたいと思います。
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