KTV クラスター発生による再度規制強化 ~ 問題はどこにあるのか?

今週 7月12日から規制緩和が始まり、外食 2人から5人まで可能となったばかりのところ、1週間で逆戻り。

 

この数日での KTV (KTVラウンジやナイトクラブ) でのクラスター発生、感染拡大により、再度規制強化となります。

 

今回の規制強化

 

期間 : 7月19日~8月8日

– ワクチン接種済みの方で、接種確認ができる飲食店では 5人までの外食が可能。
– ワクチンを接種していない方で、PET(イベント前検査) で陰性であれば 5人までの外食が可能。
– コロナ感染から回復後 270日以内の方、5人までの外食可能。
– 12歳以下の子供はワクチン接種対象外であり、接種完了している家族と一緒の外食が認められる。ただし全部で 5人まで。
– 同一世帯でないお子さんの場合、食事をするグループ (人数) の半数以下でなければならない。
– ワクチン接種済みとは 2回接種完了から 2週間を過ぎた人の事を言います。
– ホーカーセンター、フードコート、コーヒーショップでは、セーフエントリーが義務付けられていなく、確認が困難なため、外食は 2人までに制限。
– 引き続き原則自宅勤務。

* 他にも細かい詳細ありますが、メインとなる外食に関する規制についてのみ触れました。

 

2021年7月16日 MOH オフィシャルリリース

 

今回の KTVクラスター発生となった背景

 

今回の KTVクラスター。感染源で問題となっているナイトクラブが違法と思われる状況で営業していた、ルール度外視で営業していた、そういった店だと分かっていながら客として店に行っていた人が悪い、という構図に見えますが、単純にそれだけではない様々な課題や側面が見えてきます。

 

クラスターとなっているナイトラウンジなどは、コロナの影響で 2020年4月以降、営業できなくなってしまった店舗。それを救済するため、政府が対象業種には支援金を出し、キッチン設備を作り飲食店に改造することで営業継続できるようにしたもの。その支援制度を有難く真っ当に利用して、コロナ禍でも地道に立ち上がろうとしている店もある中、一部の悪質な店がその制度を悪用して違法営業をしていたことによります。

 

それを取り締まり切れなかった警察が悪いのでしょうか?
そもそも救済策を出した政府が悪いのでしょうか?
救済策を出したは良いけれど、正しく使っていない人を取り締まれなかった(取り締まりしなかった) ことが悪いのでしょうか?

 

違法営業をしていた経営者、店舗、規則や社会秩序を守らない人は罰せられて当然であり、そのような人達をかばう気は全くありませんが、別の側面で彼らはコロナによって影響を受けた人たちであり、商売ができなくなる、仕事を失うといった面で、私達のような多くの職を失っていない人、コロナでも今まで通りの生活ができている人には分かり得ない影の面、様々な問題、困難があると感じます。だからと言ってもちろん規則を破っていいのではありません。

 

全てコロナのせいだと言う人も中にはいるかもしれません。でも、どれも違うと思います。私自身答えはないし、答えがあるのかどうかも分からないし、正しい答えなどないでしょう。誰かを、何かを悪者にしているうちは、きっとまた同じようなことが繰り返されるように思います。

 

再び想う人間の本質的な課題

 

今回の KTVが発端となった件、私は昨年のドミトリー感染、シンガポールにおける外国人労働者に関する課題に似ていると感じています。ドミトリーでの爆発的な感染で、外国人労働者への依存、それでも彼らが必要な状況にあることなど。それまで深く考えてこなかったシンガポールにある潜在的な課題を見せつけられることになったわけですが。

 

ナイトラウンジで違法的にホステスとして働いていた女性の多くはベトナム人、タイ人、フィリピン人であることもあり、違法行為をしていた彼らではなく、それを取り締まれなかった政府、このコロナ禍で政府による外国人受入方法に矢を向けるシンガポール人がいたり。(外国人を入国させなければよいのではといった一方に傾いた批判など)

 

これだけ規制と緩和が度々繰り返されたり、地道に頑張っている人が、今回のように規則を守らない人のせいで理不尽な状況に置かれたり、不満、怒りが出てくるのが普通で、それを出さないでなんて言うつもりもないし、ふてくされても、落胆しても、前向きになれなくたっていいと思う。

 

それでも何もかもひっくるめて、いろいろな矛盾や葛藤があった上でも、前向きに進むしか方法はないのだと感じます。

 

Lawrence大臣の発言。

” We are all deeply disappointed about the recent flare-up of cases. We are doing our best to contain the situation and speed up vaccinations. Working together I am confident we will be able to recover from this setback, and get back on track with our reopening plans.

今回の感染増の件で、とても残念に思いますが、私たちは感染状況を抑え、予防のためワクチン接種を進めるために最善を尽くしています。皆で力を合わせて今回の逆境から立ち直り、再びコロナからの回復計画を軌道に乗せることができると確信しています。

 

皆で力を合わせて今回の逆境から立ち直り 地道ですがここに尽きると思います。これしか特効薬はないのではないかな。あなたの問題ではなくて、私たちの問題と考えられるかどうか。

 

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