12月14日 17時より、首相会見、対策チームによる会見がありました。前日に首相からの案内があった通りコロナウィルスに関する最新状況について。
首相が現れた時、むらさき色のシャツにドキッ。重大発表の時、縁起担ぎのような時、首相はピンクのシャツが定番になっているからですが…その心配はあっという間に消されました。フェーズ 3に入ることを早々に伝えて首相会見は 15分で終わり。リー首相のどんな状況でも動じない安定感、信頼感、スマートさはいつも通りでしたが、今回の会見で個人的に印象に残ったのは首相ではなく、対策チームによる会見でした。
首相会見 (Youtube : Prime Minister Office)
対策チームによる会見はリラックスした空気感で、余裕と自信に満ち溢れているのを感じました。今年 1年ずっとコロナ対策をやってきて、爆発的感染のドミトリー対策、サーキットブレイカーを経て、ここまで乗り越えて経験値が上がっているのがよく分かりました。そしてここから次章 (フェーズ3) に入る新たなチャレンジへの決意表明にも見えました。
対策チームによる会見 (画像は会見中継のスクリーンショット)
■ 12月28日よりフェーズ3に
フェーズ 3の期間は 1年以上となる可能性もある。
■ 外出、外食時の5人制限は8人までに緩和
たかが 3人、されど 3人。私たちにとってもインパクトありますが、飲食店経営をしているシンガポール人の友人が飲食業界にとっても朗報と発言していたのが印象的。
* その他、ショッピングモール、宗教施設向け大人数の緩和については省略
今回の会見ではワクチン供給と接種についての内容が主でした。8人への緩和がおまけになった感があるほど、ワクチンについて丁寧に説明がありました。
シンガポールは世界でも最初にワクチンが供給される国の1つになります。ワクチン入手に関してコロナ初期からずっと協議が進められていた事実も明らかになりました。長年かけて築いてきた、シンガポールの地理的特性を生かした世界的物流拠点であること、世界的バイオメディカルの研究拠点であること、日頃の外交の成果、全てのことが結果として表れているのはシンガポールらしいです。
世界でいち早くワクチンを入手したことについて、謙虚な姿勢ながらも自信に溢れたものを感じ、コロナ禍の水面下で想像を越えるであろう苦労や政治的駆け引きがあったことを感じる内容でした。
【ワクチン供給、接種に関してポイントとなる点】
■ ワクチン接種はシンガポール国民、外国人の長期滞在者 (ビザ保持者) 共に無料で受けられます。2021年第3四半期までに全員分を確保できる見込み(接種は個人の選択によりますが、強く推奨されます)
■ シンガポール保健省はファイザー製ワクチンを認可。ワクチン入手についてコロナ初期より協議を進めていたとの事。-70度で保存する必要があり、シンガポールにはその物流機能を用意することができる。シンガポール国内向けはもちろんの事、ワクチンの物流ハブとして機能することが可能。
■ 最初のワクチンは年内に到着予定。シンガポールは世界でも最初に供給される国の1つ。優先度の高い医療従事者、感染リスクの高い方から先に接種予定。安全性、副作用が大きく心配されるところですが、これについても首相が問題ないと太鼓判を押す形に。さらに首相、大臣クラスの方々が第一陣としてワクチンを接種し、私達が先に接種して安全性を皆様にお見せしますと公言。
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「ファーストペンギン」の意味をご存じの方も多いと思いますが、ファーストペンギンとは群れで行動するペンギンの中で、リスクを恐れることなく一番最初に海に飛び込んでいく最初のペンギンのこと。そして群れのペンギンはファーストペンギンに続いていきます。
シンガポールは国自体がファーストペンギンのようなあり方であり、それは首相を始め国を引っ張る政治家や、前に立つリーダー的な存在の方達がファーストペンギンのような人たちだから。口だけでなく、言ったことは守り、やって見せて背中を見せる、リーダー自身が見本となる。これはシンガポールの多くの組織、特に政府系組織で実践されていることです。政府に対する不満もあるものの、強いリーダシップに信頼を置き、国民は政府を支持します。
今回の会見を見て、リーダー自ら、首相、大臣の方々がファーストペンギンになる、どんなパワフルな言葉を発するよりも行動で見せることの威力を改めて感じました。またワクチン入手への尽力に関してシンガポールの底力と可能性を再確認するもので、全体的に力強い会見、穏やかながら決意と自信に満ちた素晴らしい会見でした。
笑顔の会見写真は 首相 facebook ページより、いい1枚!
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イラスト提供 Instagram @singapolah