今月初め、政府より今後のコロナ対策に関して、フェーズ3への移行準備をしており、数週間以内にとの話がありました。感染状況も落ち着いており早ければ10月中にも移行するのでは、と期待が高まっていましたが、出てきたのは慎重策。
昨日 10月20日の政府会見では、フェーズ3への移行は年末頃を予定。それも現状が維持できていればのことで、シンガポール国内の状況、世界的な感染状況も踏まえ、あくまでも予定。期待をくじかれた感はあったものの、当然の策でもあり、さすがの慎重策といった両方の面を感じました。
Lawrence Wong 大臣は、昨日の会見でコロナウィルスを火事に例えて表現。現状、火事は収まっていますが、完全に火が消えたわけではなく火元は未だくすぶっている。全ての段階において規制を緩和することは、火に木をくべることでもある。一気に木をくべればたちまち対応できないほどの火事になるのと同じ。フェーズ3への移行は国民皆さんの協力が必要であり、国民の皆さん次第でもある。フェーズ3への移行は年末頃 Before the end of the year と話すも、新たなクラスター発生など状況によっては延期も十分あり得ると明言しました。
また現在の人との集まりは 5人までの制限は、8人への緩和を予定と発表。10月頭の段階では、人数は大幅緩和となりそうなことを示唆していたので、予想よりかなり抑えた形になりましたが、事前に周知し、国民に心の準備をしてもらうやり方はシンガポールらしいです。
その会見動画はこちら
規制を緩和していくにあたり強化していく対策の1つが Trace Together トークン/Trace Together スマフォアプリの利用と義務化。現状の利用状況は人口の 45%にとどまっており、70%の利用を目指すことがフェーズ3移行にも繋がります。
人が集まるレストラン、ショッピングモール、学校、職場、人数が集まるイベントなど特定の場所において、今年末までにトークンまたはアプリの利用が義務化となる予定。
これはニュースではなく、私の思うところです。どの国も ウィルスからのガードは厳しく管理していく面と、緩和も進めつつ経済回復も進めたい 2つの面の葛藤とバランス。シンガポールは今回の対策は予想以上に手堅く慎重策で出てきた感がありましたが、各省庁の大臣からはワクチンだけを待って経済を停滞させるわけにはいかないといった発言も多く出ています。
デジタル化を急速に推し進め、これまでのやり方を変えて大きく舵を切っているのが分かり、国家間の人の往来がなくてもコロナ以前のように、世界の中でシンガポールの存在をアピールできる体制づくりを急ピッチで進めています。
ものすごい難しい課題だと思いますが、シンガポールは誰もが想像しない形で常に不可能を可能にしてくれる、そんな期待もあります。何をやっても完璧なものなど存在しなく、正解も不正解もなく、トライ&エラーを重ねながら進むのみ。まだまだ長期化しそうなコロナ禍、前向きに捉えて進んでいきたいものです。
■ 2020年10月20日 ROADMAP TO PHASE THREE
フェーズ3以降に向けての公式プレスリリースはこちら
■ Straits Times ニュース記事 (2020年10月20日)
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イラスト提供 Instagram @singapolah